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リーダーだからこそ、謙虚に学び続けることが大切。書評「日本人を強くする」(岡田武史・白石豊)

   

岡田武史さんが横浜F・マリノスの監督を辞任した時、「選手が一人ひとり考え、動くサッカー」を実践する方法が分かるまで、監督はしないと考えていたそうです。しかし、模索中の時期に、突如サッカー日本代表監督に復帰することになります。

「選手が一人ひとり考え、動くサッカー」を実践する方法が分かったわけではない。どうしたらよいのか。迷いの中にあった岡田さんが、アドバイスを求めたのが、白石豊・福島大教授。数多くのアスリートのメンタルトレーニングを指導してきた方です。岡田さんは、白石さんとの会話の中に、「選手が一人ひとり考え、動くサッカー」を実践する方法のヒントがあるのではないかと考え、対話を重ねるようになります。2人の会話は、サッカーの枠を超えた「運動学」からの分析とアプローチ、そして見つけた「ゾーン」「体幹」といったテーマに発展していきます。

本書「日本人を強くする」は、そんな岡田武史さんと白石豊さんとの対話を収録した1冊です。

岡田さんの考え方の変化

本書のポイントは、岡田さんの考え方が白石さんのアドバイスによって、少しづつ変わっていくところだと思います。岡田さんが白石さんに会った当初、岡田さんは「個人の力では、日本人は勝てない」という考えをもっていました。しかし、白石さんに「なぜ、戦う前から個人の力で勝てないと考えるのか」と指摘され、少しづつ考え方や取り組み方が変わっていきます。

会った当初は、岡田さんが白石さんのアドバイスに頷くような場面が多いのですが、時が経つにつれて、逆に白石さんが岡田さんに学んでいることが、文章からも伝わってくるのが、面白かったです。

リーダーこそ貪欲に学び続けろ

本書を読んでいて感じるのは、岡田さんの貪欲な好奇心と、成長しようとする向上心です。自分の考えが一番だと思わず、様々な分野のスペシャリストの意見を求め、必要だと思えば貪欲に自分のものにしていく。本書の中では、数多くのオリンピック陸上選手を育てた福島大学の川本さんから学んだ身体の使い方をヒントに、体幹トレーニングの必要性を感じ、選手にDVDを送って、日頃のトレーニングに活用してもらおうとしました。

何か少しでもやれることがあるのであれば、やる。何か少しでも成長できる要素があるのであれば、やる。こんな岡田さんの姿勢が、選手を刺激し、信頼につながっていたのだと思いました。何がを成し遂げるリーダーは、自ら成長し、学び続けているのだなと、改めて教えてくれました。

岡田さんと白石さんの対話の中には、スポーツだけでなく、仕事のヒントになるような言葉が、たくさんつまっています。岡田さんが対話を通じて学んだように、読者も対話を通じて、学んでいく。そんなことを体験できる1冊です。

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