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努力と周囲の支えは、才能を上回る力を持っている。書評「鈍足バンザイ! 僕は足が遅かったからこそ、今がある。」(岡崎 慎司)

   

日本代表歴代3位(2015年6月22日現在)の44ゴールを決めている岡崎慎司。しかし、岡崎は将来を嘱望されてプロに入った選手ではありませんでした。岡崎がプロに入った年に、天皇杯で岡崎が出場した試合を観たことがあるのですが、正直今の岡崎の活躍を想像することは出来ませんでした。むしろ、「この選手の何がよくて起用されているのだろう」。今になって振り返ると、そんな事を考えた自分がとても恥ずかしく思います。

身長は174cm。足は遅く、ボールを扱う技術に秀でているわけではない。そんなFWが、なぜ持っている能力では秀でていた人間より活躍出来るのか。本書「鈍足バンザイ! 僕は足が遅かったからこそ、今がある。」は、岡崎自身が自分の長所・短所を振り返り、「才能がない」と言われた選手が、なぜ活躍できたのかについて、自分なりの考えをまとめた1冊です。

自分に期待しない。妙な自意識も持っていない。

岡崎慎司という選手を支えているのは、本書の冒頭に書かれている「自分に期待しない。妙な自意識も持っていない。」という考え方です。

華麗なテクニックがなくても、他の部分で補えればいいと思う。香川真司のように「上手い」と言われる選手に出会っても、絶望することはない。

自分より「上手い」選手にあっても絶望することはない。他の部分で補えればよい。自分自身努力して、上回ればいい。この考えが、身長や足の速さやボールを扱う技術に特別秀でているわけではないストライカーが、日本代表歴代3位の44ゴールを決められている秘訣なのだと、思いました。

実際、全ての能力を兼ね備えた選手はいません。リオネル・メッシは、169cmしかありません。クリスティアーノ・ロナウドは、ヘディングでのゴールが増えたのは、マンチェスター・ユナイテッドに入団してからでした。自分の足りない所を把握し、改善していける人でなければ、サッカー選手としては生き残っていけません。

岡崎は「自分に期待しない」し、「妙な自意識も持ってない」からこそ、自分自身が抱えている問題点を的確に把握し、改善するための努力を続けることが出来たのだと思います。そして、ただ努力するのではなく、問題点を解決するための努力を続けられたからこそ、今の岡崎があるのだと思います。

周囲の人が自分を支えてくれる

本書には、岡崎から自分を支えてくれる様々な人々への感謝の言葉が、至る所に掲載されています。家族、トレーナー、マネージャー、代理人、友人、チームメイト、などなど。岡崎が本当に支えてくれる人々に感謝していることが、伝わってきます。

岡崎は自分自身の事を、才能がないと思っています。だからこそ、「上手くいっているのは、すべて自分のおかげ」とおごり高ぶることもなく、支えてくれる周囲の人々への感謝の気持ちも忘れずに、謙虚な気持ちを持ち続けることが出来るのだと思います。

持って生まれた能力も、確かに重要です。自分自身、昔は持って生まれた能力の少なさを嘆いていたこともありました。しかし、持って生まれた能力の高い人より、自分自身をよりよくするために努力し続ける人や、周囲の協力を上手に得ることが出来る人の方が、持って生まれた能力の高い人を上回ることが出来るんじゃないかと、思うようになりました。

自分が親になってから、自分の子供には、改善しようと努力し続け、周囲の協力を上手に得られる人になって欲しいと思うようになりましたが、よく考えてみると、それは岡崎のような人になって欲しいということなのかもしれません。

自分の子供が、岡崎のような子供に育つには、どうしたらよいのか。そんな事を考えさせられた1冊です。
そして、努力は才能に勝る。その事も、本書は改めて読者に教えてくれます。

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