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真のベンチャースピリッツの持ち主。書評「アフリカの奇跡」(佐藤芳之)

      2013/02/01

OUT OF AFRICA アフリカの奇跡 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語 (OUT OF AFRICA)

アフリカでビジネスをするということは、どのくらい大変なことなのだろうか。

先日、アルジェリアにある天然ガスプラントが襲撃され、日本人10名を含む多数の犠牲者が出るという事件が起きました。21世紀は南米やアフリカが大きく経済成長すると言われていますが、アルジェリアで起きた事件は、アフリカでビジネスをすることでつきまとうリスクの大きさ思い知らされました。

しかし、そんなアフリカでビジネスを立ち上げ、成功を収めた人物がいます。それが、「アフリカの奇跡」の佐藤芳之さんです。本書は、アフリカで「ケニア・ナッツ・カンパニー」を設立し、マカダミアナッツの世界5大カンパニーの一つに育て上げた日本人経営者佐藤芳之さんの半生と、いかにしてアフリカで成功を収めたのかが書かれています。

起業の本質は人のやりたくないことをやること

佐藤さんは高校生の頃、「僕はアフリカへ行きます。十年後にはアフリカにいます。」と周囲に宣言します。その後、ガーナ大学に留学後アフリカで働き始め、一旦帰国した後35歳で「ケニア・ナッツ・カンパニー」を起業します。

当時、佐藤さんがケニア・ナッツ・カンパニーを設立したのは、1974年。当時は高度成長期で、日本に残ったほうが、よい仕事も収入も得られたのではないのでしょうか。しかし、佐藤さんはアフリカで起業する道を選びます。

最近、宋文洲さんがこんな言葉をツイートされていました。

自分のためにやる事業なんて、たかが知れてる

佐藤さんが本当にすごいのは、自分が手間をかけて発展させたビジネスを、2008年にケニア人に託し、自身は別のビジネスを始めたことです。普通自ら手塩にかけたビジネスですから、簡単に手放すなんて事はできません。でも、佐藤さんは「ケニアの会社なのだから、ケニア人に託す」と決断し、自らの株もすべて売ってしまいます。

僕は竹下登さんのこんな言葉が浮かびました。


「汗は自分でかきましょう。手柄は人にあげましょう。」

そして、日本テレビの氏家齊一郎さんは、この言葉に一言付け加えています。


「そしてそれを忘れましょう」

また、氏家齊一郎さんは、事業についてこんな考えを述べています。
佐藤さんも同じ事を考えていたんじゃないかと思います。


「自分のためにやる事業なんて、たかが知れている」

永遠に生きるつもりで夢を抱け。今日死ぬつもりで生きろ

本書は、200ページと文章量は多くありませんが、アフリカでビジネスを発展させてきた人物が持つ圧倒的なエネルギーにあふれています。そこには、借り物の言葉はありません。佐藤さんの体験から発せられる言葉は、読み終わった後、前に進むための勇気を与えてくれます。

最後に、本書の冒頭に書かれているジェームス・ディーンの言葉を紹介します。

Dream as if you’ll live forever,live as if you’ll die today.
永遠に生きるつもりで夢を抱け。今日死ぬつもりで生きろ

起業を志している方は、一度本書を手にとってみてはいかがでしょうか。
この本には「真のベンチャースピリッツ」を持った男の生き様が刻まれています。
男が惚れる男というのは、こういう人のことをいうのかもしれません。

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「自分のためにやる事業なんてたかが知れている」「汗は自分でかきましょう。手柄は人にあげましょう。」「そしてそれを忘れましょう」と語った日本テレビの元会長の氏家齊一郎さんの半生が描かれた書籍はこちら。

佐藤さんの事を読んで似ていると感じたのは、バングラデシュとネパールでバッグや洋服を作っているマザーハウスの山口絵理子さんです。
途上国への真の支援を実現させるために現地でビジネスを立ち上げた山口さんは、現代で「人のやりたくないことをやる」という起業の本質を体現している数少ない経営者であり、佐藤さんとよく似ていると思います。

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