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パタゴニアが提示する「進むべき道」-成長を続けることに興味はない。-

      2013/10/03

coyote-patagonia

Coyoteという雑誌があります。Switchという雑誌と同じ会社が出版している雑誌で、旅をテーマにしたエッセイやインタビューを掲載しているのですが、No49の特集はパタゴニアでした。パタゴニアは、今年創業40週年を迎えました。

パタゴニアという会社は、仕事の合間にサーフィンに行くのもよし、会社を休職して別の仕事や長い度にでるのもよし、といった従業員の自主線を尊重した働き方、自然環境に配慮し、長く使ってもらうことに主眼をおいた製品づくり、自然環境を維持するための様々な支援活動の実施など、一般的な会社とは違う働き方や方針で運営されてきた会社です。

そんなパタゴニアが、40年かけて伝えてきたメッセージとは、何か。それが、今回のCoyoteの特集のテーマです。今回の特集のテーマが特に強く伝わってくるのが、パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードのインタビューです。インタビューの中でイヴォン・シュイナードが語っていた言葉を、何回かに分けて紹介します。

「サスティナブル(持続可能)」という言葉が嫌いだ

企業が経済活動を続けていくためには、成長し続けなければいけない。少なくとも、僕はそう考えていました。前年度を上回る売上と利益を上げ続けることが、経済活動を続けていくための方法なのだと。ところが、イヴォン・シュイナードは、そうは考えていないようです。彼は、インタビューでこのように語っています。

あらゆる企業が「成長しなければならない」と考えているからだ。
あらゆる企業が「成長第一」と考えている。
(中略)
それではサスティナブル(持続可能)とはいえない
(中略)
今年より10%売上をアップしなければならないとしたら、
四十年後、百年後はいったいどうなってしまうのか。

最近、「持続可能な社会」「持続可能な製品」という言葉をよく聞きます。
使い捨ての製品や、環境に配慮した製品を使うことや、持続可能に配慮した製品を尊重する社会にしよう、という意図で使われている言葉だと思います。ちなみに、「持続可能な製品」の代表例として語られているのが、パタゴニアの製品です。

ところが、イヴォン・シュイナードは、「サスティナブル」という言葉について、このように語っています。

私はこの「サスティナブル」という言葉が大嫌いだ
理由は簡単。
何をしようと私達は人間は「サスティナブルではない」からだ。

「サスティナブル」な製品を作っていると思われているパタゴニアの創業者が、「サスティナブル」という言葉が嫌いだとすれば、パタゴニアはどのような会社を目指しているのでしょうか。イヴォン・シュイナードは、このように語っています。

だから私はこう言う。
「責任を持とう」と。
「サスティナブル・カンパニー」ではない。
「レスポンシブル・カンパニー」だ。
責任ある企業でありたいと思っている。

パタゴニアとアップルは違う

パタゴニアが「レスポンシブル・カンパニー」を目指す上で、大切にしているのは何か。イヴォン・シュイナードは、このように語っています。

パタゴニアが大切にしていることは、
「最高のクオリティ(High Quality)」
「イノベーション(Inovation)」
「成長を抑制すること(Control Growth)」だ。
毎年売上をアップすること、会社を大きくし、店舗を増やすことに興味はない
「消費を抑えること(Consumeless)」も大切だ

特に強調しているのは「成長を抑制すること(Control Growth)」と「消費を抑えること(Consumeless)」です。昨年、ニューヨーク・タイムズに「Don`t buy the jucket(このジャケットを買うな」という広告を出して話題になりましたが、パタゴニアが大切にしていることを伝えようとした結果なのだということが、よく分かります。

そして、イヴォン・シュイナードは、「成長を抑制すること(Control Growth)」と「消費を抑えること(Consumeless)」を目指す比喩として、以下のように語っています。

パタゴニアとアップルは違う

「もっともっと」を止める

「成長を抑制すること(Control Growth)」と「消費を抑えること(Consumeless)」を目指すには、どうしたらよいのか。
イヴォン・シュイナードは自身の考えとして、このように語っています。

「こうすればいい」
「こうやれば大丈夫だ」
「もっとこうすべきだ」
などという戯言はどうでもいい。
そんな口先だけの連中の言葉に耳を傾ける必要はない
(中略)
今は言葉ではなく、行動で示すべきだ。

イヴォン・シュイナードの言葉を聞いた人は、現在自分が置かれている環境とあまりにも差があるため、「パタゴニアのような考え方では企業は運営できない」と考えるのも無理はありません。

しかし、実際パタゴニアは、イヴォン・シュイナードが発言したメッセージを実現させるべく、責任をもって努力している会社です。「パタゴニアだから出来る」「パタゴニアのようには出来ない」と考えても構いませんが、実際パタゴニアは「出来ない」と思われている方法で、運営されている企業です。

パタゴニアという企業は、大きな規模の会社ではありませんが、大きなメッセージを抱えて運営されている会社です。Coyoteのパタゴニア特集号をきっかけに、パタゴニアのメッセージに耳を傾けてはいかがでしょうか。

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