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パタゴニアが提示する「進むべき道」-責任を持ち、行動する-

      2015/05/03

coyote-patagonia

Coyoteという雑誌があります。Switchという雑誌と同じ会社が出版している雑誌で、旅をテーマにしたエッセイやインタビューを掲載しているのですが、No49の特集はパタゴニアでした。パタゴニアは、今年創業40週年を迎えました。

パタゴニアという会社は、仕事の合間にサーフィンに行くのもよし、会社を休職して別の仕事や長い度にでるのもよし、といった従業員の自主線を尊重した働き方、自然環境に配慮し、長く使ってもらうことに主眼をおいた製品づくり、自然環境を維持するための様々な支援活動の実施など、一般的な会社とは違う働き方や方針で運営されてきた会社です。

そんなパタゴニアが、40年かけて伝えてきたメッセージとは、何か。それが、今回のCoyoteの特集のテーマです。今回の特集のテーマが特に強く伝わってくるのが、パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードのインタビューです。インタビューの中でイヴォン・シュイナードが語っていた言葉を、何回かに分けて紹介します。

今回は、「責任を持ち、行動する」です。

「市民」はただの「消費者」になってしまった

パタゴニアという企業は、商品やこれまでの活動を通じて、流行や新しいものをよしとして、短期的に商品を買い換える消費者の行動に、疑問を投げかけてきました。イヴォン・シュイナードは、現代の消費者の行動に対して、このように苦言を呈しています。

私たちはかつて「市民」だった。
しかし今はただの「消費者」になってしまった。
人生を生きる市民ではなく、ひたすらモノを買い、棄て、
また買うということを繰り返す消費者に成り下がっている。
消費者とは、アルコール依存症と一緒だ。

先日、保険会社の担当者とお会いした時、担当者の後輩が、仕事で成果をあげ、お金を手にして好きな物を買えるようになったのですが、欲しいものを買ったら、また新しいものが欲しくなる、といった具合に、モノを買い求めるという行動が止まらない、ということを話してくださいました。

イヴォン・シュイナードの言葉を聞いて、この話を思い出しました。

大企業はうまくいっていない

パタゴニアという会社は、上場もしてもらず、会社の規模から考えると、お世辞にも大企業とは言えません。しかし、大企業と同じか、それ以上に強いメッセージを製品や活動を通じて発表し、大きな影響を与えています。

イヴォン・シュイナードは大企業について、どう考えているでしょうか。彼は、このように語っています。

小さな企業のトップにいるということは、時にとてもいいことだ。
私という人間があらゆるパワーをひとりで持っているのだから。
私にすべての決定権がある。上場企業はこうはいかない。
株主の言うことを聞き、多くの人の意見をすり合わせなければならない。
あらゆる行動に時間がかかるし、変化がドラマチックに起こることはない。
大企業はむしろ変化しないことを好むだろう。

そして結局のところ、彼ら(大企業)はうまくいっていない

会社は売り物なのか

ベンチャー企業を立ち上げ、成長した後、大企業に売って、創業者は利益を得る。米国では、このような行動は「アメリカン・ドリーム」として賞賛されることはあっても、批判されることはないと思います。しかし、こうした活動について、イヴォン・シュイナードは以下のように苦言を呈しています。

私は会社を譲るために決断を下したことはない。
私達の顧客と、この地球のために決断を下してきた。
そしてそれらの決断は常にビジネス的にも正しく、会社は利益を得てきた。

米国では、企業はいつか「売らなければならない」とされているんだ。
システムが企業を上場させ、企業を株主にバラ売りするように仕向けている。
(中略)
創業者は自分の企業を最も高い値でいつか売らなければならない。
おかしな話だ。

私はパタゴニアを株主のものにしたいとは思わない。
だから私たちは「ベネフィット・コーポレーション」になった。
(中略)
我々の会社は株主のために高く売られることはない。

「ベネフィット・コーポレーション」とは、環境問題への取り組みなど、社会的責任のある行動を追及した結果、株主の利益を損なったとする株主の攻撃から法的に保護された民間企業のことです。

パタゴニアは、イヴォン・シュイナードが退いた後も「ベネフィット・コーポレーション」という形式を取ることで、「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。」というミッション・ステートメントを実現できるように、体制を整えているのです。

関連情報

米企業でも株主より社会の利益を優先できる!?「ベネフィット・コーポレーション」とは何か

責任を持ち、行動する

消費を先導する企業を変えていくにはどうするべきか。イヴォン・シュイナードは、市民1人1人の活動が重要だと、Coyoteのインタビューの中で繰り返し語っています。

企業を変えるにはどうすればいい?
簡単だ。
その企業のプロダクトを買わなければいいんだ。
(中略)
私達に「買う」「買わない」の選択権がすべてあるのだから。
(中略)
「安いから買う」のはもうやめよう。
よく考えて、選んで、買うんだ。

このように、市民に選択を促した上で、自分たちパタゴニアはどこに向かうのか。イヴォン・シュイナードは、短い言葉で、パタゴニアが目指す方向性を示しています。彼の言葉はいつもシンプルです。

私はほんの少しでも善くなる可能性がある方にチャレンジしていきたい。
私はいつも行動で示したい。
私の会社、パタゴニアもそうだ。
私たちは、責任を持ち、行動する会社だ。

イヴォン・シュイナードの言葉を聞いた人は、現在自分が置かれている環境とあまりにも差があるため、「パタゴニアのような考え方では企業は運営できない」と考えるのも無理はありません。

しかし、実際パタゴニアは、イヴォン・シュイナードが発言したメッセージを実現させるべく、責任をもって努力している会社です。「パタゴニアだから出来る」「パタゴニアのようには出来ない」と考えても構いませんが、実際パタゴニアは「出来ない」と思われている方法で、運営されている企業です。

パタゴニアという企業は、大きな規模の会社ではありませんが、大きなメッセージを抱えて運営されている会社です。Coyoteのパタゴニア特集号をきっかけに、パタゴニアのメッセージに耳を傾けてはいかがでしょうか。

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