どう勝つか。どう負けるか。勝負で本当に大切なこと。書評「ヨハン・クライフ サッカー論」(ヨハン・クライフ)

サッカー界でマラドーナやペレと並ぶ、20世紀を代表する選手と呼ばれる、ヨハン・クライフ。

ただ、マラドーナやペレとは違い、ヨハン・クライフの活躍は、選手時代だけに留まりません。アヤックス、FCバルセロナといったチームで監督を務め、成功を収めました。ヨハン・クライフが披露した、攻撃的で、見る者をワクワクさせるサッカーは、世界中の支持を集めています。

また、彼のサッカーに影響を受けた指導者が、世界中で活躍しています。現在、世界最高の監督の1人と言われている、FCバイエルン・ミュンヘンのペップ・グアルディオラも、ヨハン・クライフの影響を強く受けている1人です。

世界中のサッカーファン、選手、指導者に影響を与えた、ヨハン・クライフはサッカーについてどう考えていたのか。本書「ヨハン・クライフ サッカー論」は、ヨハン・クライフのサッカーに対する考えを、1冊の本にまとめた書籍です。

勝つときは汚く、負けるときはきれいに

ヨハン・クライフのサッカーが、なぜ長年にわたって人を魅了しているのか。その理由は、ヨハン・クライフのサッカー哲学にあります。ヨハン・クライフが自身のサッカー哲学について語った言葉で、こんな言葉があります。

勝つときは汚く、負けるときはきれいに

正確には「無様に勝つことを恥と思え。美しく敗れることを恥と思うな。」という言葉だそうなのですが、この言葉には、勝負に勝つなら5-4でもよいから攻撃的なサッカーを貫いて勝ち、負けるなら0-5でもいいから、攻撃的なサッカーを貫いて潔く負ける、というクライフの哲学が込められています。この言葉を長年にわたって実践し、貫いてきたからこそ、ヨハン・クライフという人のサッカーは人を惹きつけるのだと思いますし、彼のサッカー哲学は、アヤックスやFCバルセロナというチームに引き継がれているのだと思います。

どう勝つか、どう負けるか

プロスポーツは勝負ですから、勝つときもあれば、負けるときもあります。負けが続けば、お金も人も減ってしまいます。人は、減ってしまうことに囚われると、勝ち続けなければならないと、勝ちに必要以上にこだわってしまいがちです。

しかし、勝っても負けても、次の勝負はやってきます。だからこそ、「どう勝つか」「どう負けるか」を考えぬくことは、勝負し続けるためには、とても大切なことだと思うのです。勝ち続ける人もいませんし、勝ち続けるチームもありません。どこかで必ず負けを経験します。個人的には、勝負事に臨むときは、むしろ「どう負けるか」が重要なのかもしれないと、思うことがあります。例え負けても、自分の考えを貫き、深手を負わず、次に挽回出来るような状態で負ける。全てが打ち砕かれるような負け方をすると、立て直しが難しくなりますし、さらなる負けを誘発することがあります。だからこそ、「どう勝つか」「どう負けるか」を考えることは、勝負の世界ではとても大事なことだと思います。

ヨハン・クライフは、その事を本書を通じて、僕に教えてくれました。改めて読みなおしてみてよかったなと思えた1冊です。

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