2018年の棚橋弘至

仕事を終えた後、僕はなかなか緊張が解けない。頭は痛くなるし、目の前がクラクラするときもある。
家に帰ってもテンションが下がらないことがあり、リラックスするために、いろんな方法を試した。
サッカーを観る、お笑い番組を観る、あるいは映像は観ずに音楽を聴く。ストレッチをする。何もしない。甘いものを食べる。お酒を飲む。
いろいろ試した結果、今のところ僕に最もあっているリラックス法は、新日本プロレスの試合を観ることだ。
いまは「G1 CLIMAX」と呼ばれる、リーグ戦の真っ最中。連日熱戦が繰り広げられていて、観る試合には事欠かない。
ケニー・オメガ対石井智宏戦は、ここ数年のベストバウトと呼んでもよいくらい、お互いが力を出し尽くした凄い試合だった。

でも、僕が必ず観てしまうのは、棚橋弘至さんの試合だ。
棚橋さんに注目するようになったのは、「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」という書籍を読んだのがきっかけだった。
ふとしたきっかけで読んだのだけど、読み終えて、心の底から感動した。
感動した理由は、この本がプロレスに関する本ではなく、自らの体験を元に書かれたビジネス本だったからだ。
理論や世間の常識ではなく、自らが体験したことを元に、コツコツをアクションを積み重ね、変革を起こす。
これまで読んだ本の中でも、最高のビジネス本だったからだ。

僕は棚橋さんの本を、事ある毎に人に推薦している。
書評を書いているので「おすすめの本は?」と聞かれる機会も増えたけど、必ずおすすめするのが「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」だ。

そんな棚橋さんは、目の前の対戦相手だけでなく、過去の自分、今の自分、新たなプロレスファンなど、様々な相手と今日も戦っている。
最近の棚橋さんは、「勝ち方」にこだわっている。
相手の技を受けて、「もうダメか」というところから勝ち切る、一瞬のスキをついて丸め込む、テキサスクローバーホールドのようなレスリング技で勝つなど、
様々な技を駆使して、他の選手には出来ない試合展開を披露しようとしている。
他の選手とは違う価値を提供し、自分の価値を上げたい。そう考えているからだと思う。

僕は棚橋さんから多くのことを学んでいる。
G1 CLIMAXを観ながら、今日も「勝ち方」について考えている。

そして、今日も僕はリラックスできず、眠れない夜を過ごすのだ。