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書評「プロフェッショナルの原点」(P.F.ドラッカー,ジョゼフ・A・マチャレロ)

   

ふと思い立って、ドラッカーを読んでみることにしました。ドラッカーの著作は今まで手にとった事はあるのだけれど、最後まで読み切った事はありませんでした。ドラッカーの著作に書かれている事は、誰でも知ってそうで、実行出来ていない基本的な事が多いので、「知ってる」と思う事も多く、きちんと読む事はありませんでした。正直言うと、面倒だったというのもあります。

ただ、ふと「基本的な事を見直すことで、今後すべき事柄に対するヒントが見つかるんじゃないか」と思って、ドラッカーの著作を読み直してみようと思い、手に取ったのが「プロフェッショナルの原点」です。本書は、組織に働く人たちが、時間管理・集中の方法・強みの鍛え方・意思決定の仕方など、みずからを磨き、限られた時間の中で最大の成果をあげるための必須のノウハウを、ドラッカーの言葉をもとにまとめた1冊です。

意見の不一致を生み出す

本書で最も印象に残ったのは、「意見の不一致を生み出す」と点について書かれた箇所です。「行うべき意思決定は、満場一致で決められるものではない」という言葉とあわせて、以下の言葉が紹介されています。

「選択肢すべてについて検討を加えなければ、視野は閉ざされたままとなる。意見の不一致を生み出す必要があるのはそのためである。行うべき意思決定は満場一致で決められるものではない。相反する意見の衝突、異なる視点との対話、異なる判断の間の選択があって、初めてうまくいく。
1つの行動だけが正しく、他の行動はすべて間違っているという仮定からスタートしてはならない。自分は正しく、彼は間違っているという仮定からスタートしてもならない。ただし、意見の不一致の原因は必ず突き止めなければならない。」

打たせるボディは、痛くない

最近、僕はプロジェクトの初期段階では、わざと利害関係者との間に意見が対立するように仕掛けている。ひとつ間違うと混乱の基になるのだけれど、僕は積極的に意見の対立を仕掛けている。時には相手を怒らせる時もある。

でも、僕は仕掛ける。なぜそんな面倒な事をやるのかというと、初期段階で意見を言い合う環境を作り出すこと、そして相反する意見を出しておかないと、必ずプロジェクトが進んだ後に大きな問題に発展するからだ。そして、プロジェクトの後半に今までの前提を覆すような事を言う時、大抵クライアントはこういうのだ。「言いたかったのに、言えなかった」のだと。そう、言いやすい環境を作り出さなかった側(主に僕の立場)に非があると主張されるのだ。こちらの立場はない。

最近になって、プロジェクトを円滑に進めるには、波を立てないように進めるのではなく、時には波を立ててでも、サーフィンの達人のように、立てた波に上手く乗るくらいが丁度よいのではないかと思うようになった。「はぁ?」「こいつ分かってないんじゃないか?」と思われるような意見を言うのは勇気がいる。正直嫌な気分がする時もある。

でも、僕はモハメド・アリのこんな言葉を思い出して、実行するようにしている。「打たせるボディは、痛くない」のだと。つまり、わざと打たせるパンチは痛くないし、効かない。パンチを打たれないボクシングなんてありえないのだから、わざと打たせていると思って対応すればよいのだ。辛い時、モハメド・アリの言葉をいつも思い出す。ちなみに、この言葉を知ったきっかけは、明石家さんまさんが語っていたからだ。さんまさんですら、「パンチは打たせている」のだ。

本書は短時間で読めるので、ちょっと時間が空いた時に項目だけ思い出したように読み直すのに最適な1冊です。ドラッカーが語っている基本的な内容を改めて見直すタイミングなのだと思って、他の著作も引き続き読んでみたいと思います。

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