PSGが考えた2人のストライカーを活かすためのポジションチェンジサッカー

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普段、リーグアンはほとんど観ないのですが、スカパーが無料放送日だったので、PSG対ボルドーを録画して観ました。あまり期待せずに観始めたのですが、観始めたらことのほか面白く、特に攻撃を組み立てるときの動きが興味深かったので、忘れないようにブログにまとめておきたいと思います。

“ゼロトップ”イブラヒモビッチ

PSGの攻撃の中心は、イブラヒモビッチです。イブラヒモビッチに縦パスが入るところから、PSGの攻撃が始まるのですが、面白かったのはパスをもらうときの動きです。

イブラヒモビッチは、センターバックのチアゴ・シウバとアレックスがゆっくりパスを回している時は、オフサイドポジションに立っていて、ボールを受ける素振りを見せません。ところが、相手DFがイブラヒモビッチから注意を逸らしたと見るや、素早くDFラインと中盤の間にあいたスペースに走りこみ、縦パスを受けるのです。この動きをイブラヒモビッチは、90分繰り返してました。

DFラインと中盤の間でボールを受ける動きは、FCバルセロナでリオネル・メッシがやったことで世界的な流行となり、従来のFWと違って、MFに近いポジションでボールを受けることが多いことから、”ゼロトップ”(英語だとfalse 9=偽9番なんて言い方をします)と呼ばれるようになりました。

イブラヒモビッチは、元々典型的な9番でした。身体能力が高いため、相手の間でボールを受けたりする動きは得意ではなかったと思うのですが、この試合を見る限り、サイドステップを踏んで相手の重心をずらしてマークを外したり、中盤のスペースでうまくボールを受けようと工夫する動きが目立ちました。

FCバルセロナでは、ボールを受ける動きが周りの選手とあわなかったイブラヒモビッチですが、今ならFCバルセロナでプレーしてもうまくいくんじゃないか。そんなことを、考えてしまいました。

“偽ウイング”カバー二

もう一人興味深かったのは、今シーズンからPSGでプレーするカバーニの動きです。ナポリでは中央でプレーしていたカバーニのPSGでのポジションは、左FW。中央はイブラヒモビッチがいるため、カバーニは左サイドに追いやられてしまったように見えます。

ただ、攻撃の時はイブラヒモビッチが中盤まで下がるので、CFのポジションは一時的に誰もいない状態になります。すると、左サイドからカバーニが移動して、CFのポジションに入ります。これによって、カバーニの強みである得点力を活かすことが出来ます。

では、なぜ単純に2トップにしないのか。PSGではシーズン当初は2トップでやっていたそうですが、あまりうまくいかなくて、このフォーメーションに変えたのだそうです。このフォーメーションのメリットとしては、元々のポジションから違うポジションに選手が移動するため、相手DFはマークを見失いやすくなります。たぶん、2トップだとイブラヒモビッチもカバーニも、あまり中央から動かず、相手にマークされやすかったのだと思います。

そして、空いた左サイドはどうするのかというと、基本的には左サイドバックのマクスウェルが上がることで、バランスをとってました。マクスウェルが上がったら、左MFのマチュイディが下がって埋めます。右サイドバックのファン・デル・ヴィールはあまり上がらず、DFラインには必ず3人が残るようになっていたので、相手が攻めてきた時のリスクマネジメントもきちんと考えられていました。

わざと元々のポジションと違うポジションに配置することで、相手を崩す。なかなか考えられた戦術だなと、観ていて感心しました。

PSGはチャンピオンズリーグで勝てるのか

ボルドー戦を観ていて、PSGのレベルが非常に高いことがわかりました。この試合のベンチには、フランス代表のキャバイエやアルゼンチン代表のラベッシが控えていたりと、選手層も厚く、チャンピオンズリーグでも、ベスト4に入る力が十分あると思います。

問題は、自分たちが主導権を握っている時はこのポジションチェンジサッカーは上手く機能すると思うのですが、主導権を握れなくなった時にどう戦うのか。自分たちから形を崩して戦う戦術は、相手に崩されると思わぬ脆さを露呈するのではないかという気がします。バイエルンやドルトムントやマンチェスター・シティといったチームと戦った時、本当のチーム力が試されると思います。PSGの今後に注目です。

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