nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

2017年J1第18節 サガン鳥栖対川崎フロンターレ プレビュー「アスリートに温存なんて要らない」

   

2017年Jリーグ第13節、川崎フロンターレの対戦相手はサガン鳥栖です。まず、第17節までのデータを基に、サガン鳥栖のデータから分析した特徴を紹介します。

セットプレー関連の得点が全得点の59%を占めるサガン鳥栖

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は8.2%でリーグ15位。1試合平均の攻撃回数は127.1回でリーグ7位と少なくありませんが、1試合平均のシュート数が10.4本でリーグ15位と攻撃回数の割にシュート数が多いチームではありません。

ただ、チャンス構築率は目安となる10%より下回っているものの、ゴール数をシュート数で割った「シュート成功率」は10.7%でリーグ8位と、目安となる10%を超えています。要因はセットプレーです。サガン鳥栖は総得点の59%をセットプレー関連のプレーから挙げています。

1試合平均の直接フリーキックの数は14.0本でリーグ4位。相手陣内の直接フリーキックの内訳は多くて7本程度だと想定されますので、7本のフリーキックの半分はシュートにつなげ、7本のうち1本はゴールに結びつけているのではないかと想定します。枠内シュート数は1試合平均で2.9本でリーグ16位と多いチームではありません。したがって、枠内に飛んでいるシュートのほとんどは、セットプレー関連プレーからのシュートではないかと思われます。

サガン鳥栖は、1試合平均のパス本数は415.1本でリーグ14位、ボール支配率は46.8%でリーグ13位、30mライン侵入回数は35.2回でリーグ13位です。このデータからは、サガン鳥栖がボールを相手陣内に運ぶプレーが得意なチームではないということが読み取れますし、パスを何本も交換してボールを運ぶチームではなく、ロングパスを上手く活用してボールを運ぶチームであるということが分かります。

セットプレー関連の得点が多いサガン鳥栖ですが、1試合平均のコーナーキックの本数は3.9本でリーグ16位と多くありません。コーナーキックの本数は、相手陣内にボールが運べているかを読み取る指標になります。リーグの下位ということは、ボールを相手陣内に運ぶ時間と回数が少ないということが読み取れます。

セットプレー関連の失点が全失点の63%を占めるサガン鳥栖

サガン鳥栖の守備のデータを分析すると、シュートを打たれた数を攻撃を受けた回数で割った「被チャンス構築率」は、10.8%でリーグ15位とそれほど高いチームではありません。フィッカデンティ監督は、守備が上手いチームを作るのに定評があるので、「シュートを打たれる確率が高い」というデータは意外だと思う人もいると思います。しかし、ゴール数をシュートを打たれた数で割った「被シュート成功率」は、7.9%でリーグ7位。つまり、「シュートは打たせるけど、決めさせない」チームだと言うことがいえます。DFが相手に成功率が高いシュートを打たせていないとも言えますし、GKの権田の存在も要因だと思います。

サガン鳥栖の守備のデータで興味深かったのは、失点の内訳です。サガン鳥栖の全失点のうち、実に63%がセットプレー関連の失点なのです。全得点の59%をセットプレーで挙げ、全失点の63%をセットプレーが占める。セットプレーで獲って、セットプレーで失う。このデータから、この試合は両チームのセットプレーがポイントだということが分かります。

相手を圧倒しなくても勝てるか

浦和レッズ戦から中2日。しかもアウェー。そして、毎年苦戦するベストアメニティスタジアム(そしてなぜか毎年夏に組まれる日程)。川崎フロンターレにとって、不利な条件を挙げればきりがありません。だからこそ、この試合に求められるのは「相手を圧倒しなくても勝てるか」だと思います。

サガン鳥栖の1試合平均のボール支配率から考えると、ボールは保持出来ると思います。ただ、中2日で迎える試合、そしてベストアメニティスタジアムの長い芝生によってパススピードが遅くなることから、普段のように素早いパス交換で相手陣内にボールを運ぶというプレーは、見られないと思います。2016年までだと、サガン鳥栖のロングパスを活用した攻撃によって選手同士の距離が広がり、攻撃の時に普段のような素早いパス交換が出来ず、相手陣内にボールを運ぶのに時間がかかるだけでなく、相手にボールを奪われて、再び相手の攻撃を受けるという場面がありました。

鬼木監督はこの試合で中村に代わって家長をスタメンで起用するようです。家長を起用する理由として考えられるのは、選手間の距離が広がった後に攻撃する時、選手間の距離が普段通りに戻るまでの時間を稼いでくれる選手が必要だからだと思います。家長はこれまで「プレーを止めずに動き続ける」ということが出来ず、スタメンで起用されていません。しかし、この試合では家長のプレーの「遅さ」を利用して、攻撃する時間を作り、試合を優位に進めたいのだと思います。スローテンポな試合になるかもしれませんが、チームのコンディションを考えると当然の選択だと思います。

川崎フロンターレは37歳になった中村憲剛とどう向き合うのか

そして、中村が控えているという事は、中村が入ってからテンポを上げて、得点を奪いにいくという選択肢を手元に持ちつつ、試合を進められるという事を意味しています。2017年シーズンの川崎フロンターレは、「得点を奪いにいく」交代が上手くいっていません。家長、森本、ハイネル、長谷川、三好など、誰を入れても上手くいきません。特に「ボールを運べる」選手を入れて得点を奪いにいくという、鬼木監督が想定していた交代策があまり効果がありません。ここまで鬼木監督は上手くチームを運営していますが、数少ない誤算は「得点を奪いに行く」交代だと思います。

僕はシーズン開始前に、「川崎フロンターレは37歳になった中村憲剛とどう向き合うのか」という記事を書きました。

2017年シーズンから監督に就任した鬼木監督は、中村を直近2試合連続で途中交代させています。鬼木監督は、キャプテンを小林にし、チームの象徴で中心選手だった中村の重要度を、意図的に下げようとしているように感じます。中村はそれを読み解けない選手ではありません。途中交代する時の中村の悔しそうな顔と、前節の浦和レッズ戦で中村が交代の指示が出ているのに、サポーターを煽った上でコーナーキックを蹴ったシーンでは、中村の意地と葛藤が伝わってきました。本音では90分試合に出たいはずです。

年齢を重ねたベテランをいかに不満を抱かせずに活用するか。鬼木監督が2017年シーズン通じて抱えている課題で、実はもっとも大きな課題に対して、どのように取組み、どんな成果を挙げるのか。この試合で僕が勝敗以上に注目しているのはそこです。そして、僕は中村の意地を観たい。「俺のプレーを観たか!」とサポーターに、相手選手に、そして鬼木監督にアピールするようなプレーを披露して欲しい。僕は期待しています。

おすすめ

 - , , ,