アナリティクスを用いたチームジャパン強化戦略(河合季信(日本スポーツ振興センター マルチサポート事業ディレクター)受講メモ
2014年12月21日に開催された、「スポーツアナリティクスジャパン2014(SAJ2014)」というカンファレンスに行ってきました。スポーツに関するデータや数値を分析する「スポーツアナリティクス」。この聞き慣れない領域が欧米のスポーツ界で今、大きな存在感を示し始めています。そして、この波は間違いなく日本スポーツ界にもやってきています。SAJ2014は、スポーツアナリティクスに関する日本で初めてのカンファレンスです。
今回は、日本スポーツ振興センター
河合さんは、ショートトラックの選手としてオリンピックに出場後、1998年の長野オリンピックには、テクニカルスタッフとしてスラップスケート導入のアドバイスを選手に行い、清水宏保選手の金メダル獲得に貢献しました。その後、筑波大学で教鞭をとりながら、JOCのスタッフとして、アナリティクスを用いた日本代表の強化を支援してきました。
JOCの情報戦略
- Science:1つ情報を少しづつ深堀りしていく
- information→intelligence:情報をデータを活用するための知恵に
メダル獲得に向けたマルチサポート戦略事業
- メダル獲得を目指しながら、世界で5番以内に入ることを目指す
- ナショナルチームを支援するスタッフを、フルタイムで配置する
- マルチサポートハウスという競技会場や宿泊施設の近くに、情報や治療の支援を行う施設を開設している
- ターゲットを絞って、サポートする(18競技、21種別)
マルチサポート事業のコンセプト
- パフォーマンス分析
- フィットネス管理
- メディカル
- マネジメント
- 日本のスポーツ界で最も弱いと言われるのは、マネジメント。課題を抱えている競技団体が多い
- 情報戦略
- 用具設備、調整
- スポーツ真理
- スポーツ栄養
アスリート支援スタッフのサポート分野
- パフォーマンス分析のスタッフが38%を占める
- ラグビーとアナリティクス
- ラグビーは加速度計をつけて競技を行ってもよいと言われている
- コーチとしてアナリストに期待すること
- 仮説や持論の確認
- 自分では気づかなかった新しい発見
- リザルトだけでなくソリューションも
ディレクターとしてアナリストに期待すること
- プロフェッショナルとしてのスキル
- 監督が替わっても、引き続き登用されるスキルを身につけておく
- 土地勘と距離感
- 場所が変わっても対応出来る
- チャレンジ
- アナリストがいることによって、チームに付加価値を提供できなければ、意味が無い
ウェアラブル化する解析ツール
- 人体の情報を解析する情報を、ウェアラブル化したツールから解析することが出来るようになっている
- Google GlassやApple Watchのような製品がスポーツアナリティクスの世界にどのような影響をあたえるのか
Digital Native世代に向けて
- 今後指導する選手たちはデジタル機器を当たり前のように使いこなす世代。指導者より機器の使い方については精通している可能性もある
- 選手は当たり前のようにIT機器を使って情報を受け取ったり、発信したりする
- いかに正しい情報を提供し、ノイズを減らすか