スポーツアナリティクスのカンファレンス「SAJ2017」無事終わりました。

落ち着いたので、ようやく「SAJ2017」の話を。2017年12月2日に、日本スポーツアナリスト協会(JSAA)主催による、スポーツアナリティクスカンファレンス「SAJ2017」が開催されました。

2014年に産声を上げたSAJも今年で4年目。今回のテーマは「THE GAMECHANGER」。

パフォーマンス向上、ファンエンゲージメント、マーケティングとスポーツ産業のあらゆる局面でその存在感を示しつつあるアナリティクスは、日本における現存のスポーツ産業の仕組みを抜本的に変革する「ゲームチェンジャー」になり得る存在だと考え、テクノロジーそしてアナリティクスが引き起こしつつあるスポーツ界の地殻変動を理解し、すぐそこに迫る変革と日本のスポーツ界が目指すべき未来について参加者の皆さんと考え、スポーツアナリティクスの事例を紹介するだけでなく、海外事例、そして、スポーツアナリティクスそのものを議論するようなセッションが企画されました。

勝ち負けだけじゃない、スポーツの楽しみ方

僕は、今回はセッションの企画・アサインを担当しました。僕が企画したのは「勝ち負けだけじゃない、スポーツの楽しみ方」というセッションです。

2016年まで川崎フロンターレで数々のプロモーションを仕掛け、現在は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 イノベーション推進室エンゲージメント企画部長として活躍されている天野春果さん、現在は富士通株式会社に企業スポーツ推進室所属しながら、同社アメリカンフットボール部「富士通フロンティアーズ」のマネージャー業務を中心に、同社スポーツ活動全般への支援、地域・社会貢献活動など、幅広い業務で活躍されている柏原竜二さんにご登壇頂き、モデレーターは、博報堂DYメディアパートナーズ メディア・コンテンツビジネスセンター コミュニケーションプロデューサーの森永真弓さんにお願いしました。

「勝ち負けだけじゃない、スポーツの楽しみ方」というテーマは、僕がブログでスポーツについて書く時のテーマでもあります。競技の勝敗以外にも、スポーツを楽しむ方法があるのではないか。僕のブログを書く動機でもあり、試合のレビュー・プレビューを書く時に、読んでくださる方に最も伝えたい事でもあります。スポーツアナリティクスを議論する場所だからこそ、スポーツは勝敗だけを競い合えばよいのか、お客様に来て楽しんでもらうにはどうしたらよいのか、どうしたらより多くの人に楽しんでもらえるのかといった、スポーツそのもののあり方について、議論するセッションを企画したかったのです。

天野さんは、日本のスポーツプロモーションを変えた「THE GAMECHANGER」だと僕は思っています。天野さんのプロモーションは、企画ばかり注目されますが、実は地道な告知活動や改善の積み重ねで成り立っています。天野さんはどのような考え、川崎フロンターレのプロモーションを手がけてきたのか、SAJ2017に高いお金を払ってくる方にこそ、知ってもらいたいと考えて、オファーしました。(天野さんには「お前、ぶっこんだな」と言われましたが)

柏原さんは、僕にとっては、陸上選手の頃も、今も「THE GAMECHANGER」です。

僕は箱根駅伝が大好きなので、当然柏原さんの事は知っています。でも、僕は陸上選手としての柏原さんより、陸上選手としての活動を止めた後、スポーツの魅力をより多くの方に知ってもらう活動に取り組んでいる柏原さんの活動が面白いと思って、オファーさせて頂きました。柏原さんからは、何度も「スポーツアナリティクスのカンファレンスで何を話すんですか?」と聞かれましたが、僕は「データの話はしなくていいです」と伝えて、ご登壇頂きました。

アナリティクスをテーマにしたセッションではないので、モデレーターの森永さんには、ご面倒をおかけしました。セッションを終えて企画者の僕が、もう話す内容を決めておいた方が、3人が話しやすかったかもなと思いました。今後の課題です。セッション自体は、天野さんの話を中心に、勝ち負けだけではなく、スポーツの魅力を伝え、多くの人を巻き込んで楽しんでもらうために、どのような取り組みをしなければならないのか、三者三様の意見が出て、興味深いセッションになりました。

『ジャイアントキリング』に必要なアナリティクスとは

もう一つ担当したのは、「『ジャイアントキリング』に必要なアナリティクスとは」です。登壇者は、筑波大学蹴球部 パフォーマンス局データ班のスコット・アトムさん、筑波大学蹴球部 パフォーマンス局ゲームアナライズ班 班長の鍵野洋希さん、統計家で株式会社データビークル取締役の西内啓さん。モデレーターは、サンフレッチェ広島で森保一監督の下でデータ分析担当コーチを務め、現在はデータスタジアム株式会社 JDC事業部 兼 フットボール事業部 アナリストを務める久永啓さんです。

筑波大の二人は、控え室では凄く緊張していましたが、西内さんやモデレーターの久永さんがお声がけしてくださったおかげで、少しずつリラックスし、セッション中は堂々としたプレゼンを披露してくれました。

西内さんにオファーしたのは、当日に小井土監督が大学選抜に帯同することになって、登壇出来なくなった事がきっかけでした。統計の専門家から見て、筑波大の取り組みや、スポーツチームがアナリティクスをどう組み込んだら良いのか、お話をしてもらえたらと考え、オファーさせて頂きました。

西内さんから学生には、セッション終了後に、分析をどのような考え方で、どんな手順で行ったら良いのかという、追加講義がありました。西内さんは、今回の事をきっかけに、何か伝えたかった事があるのだと思います。西内さんは、昔はもっとピリピリした人だったそうですが、実際にお会いした西内さんは、気さくで、熱い方でした。森永さんと西内さんを紹介してくださったのは、データスタジアムの金沢さんです。とても感謝しています。

実は今回のセッションの担当になるまで、久永さんとはご挨拶をしたことがあるくらいで、接点はありませんでした。実際にお会いして話をすると、とても真面目な方で、セッションの進行も時間内でおさまるようにわかりやすくまとめてくださり、とても楽でした。このセッションはSAJの基本でもある「アナリスト」を取り上げたセッションでもあり、聴講者の評判も良かったのですが、久永さんというアナリストがモデレーターを務めてくださったのも要因だと思います。

運営は大変

今回はセッションの企画・アサインを担当したのですが、SAJ2017の企画・アサインに関わった事で、運営に携わっている人が、どれだけ大変な想いをして、イベントを実施しようとしているか、よく分かりました。

大体22時を過ぎると、Facebook Messenger経由によるメッセージのやり取りが活発になり、様々な課題について、議論が始まります。今回は直前まで課題が山積みで、運営課題だけでなく、ぎりぎりまで登壇者の交渉と調整を行っていましたので、大変な時期が続きました。今までは、参加したり、レポートを書くだけでしたので、メンバーの苦労は分かっているようで、分かっていないのだと、よく分かりました。細かいことは説明しませんが、本当に手作りのイベントなのだと、改めて実感しました。そして、多くの方に興味を持って頂ける理由が分かった気がします。関係者の方々の努力は、凄いです。尊敬します。

スポーツ関係者にもスポーツアナリティクスの事を知ってもらいたい

SAJ2017には、様々なスポーツ関係者もご招待させて頂きました。スポーツ関係者の方々に、スポーツアナリティクスの事を知ってもらい、取り組みをサポートしてもらいたかったからです。

僕からは永里優季さんにお声がけしました。永里さんとは一度お会いしただけですが、Twitterを通じて(多少)交流があったので、ダメもとでお声がけしたら、来て頂けました。

基調講演だけでなく、スタジアムに関するセッションを一般席で聴講していて、熱心にメモをとっていたのが印象的でした。ご挨拶くらいしか出来なくて、本当にすみません。永里さんだけではなく、お招きした方々に対する対応が行き届いていなかったのは、今後の課題です。

最後に、伊藤華英さんが書いてくださった、SAJ2017に関するコラムを紹介します。SAJ2017というイベントをなぜ開催するのか、何を目指しているのかを、分かりやすく書いてくださいました。多くの方に読んで頂けると嬉しいです。

SAJ2017を何かが起こる場所にしたい

なお、今回は「THE GAMECHANGER」というTシャツを作りました。Tシャツのデザインをしてくださったのは、NewsPicksのデザイナーの星野さん。あまり時間はなかったのですが、カッコいいデザインを考えてくださって、最初は「Tシャツなんて着れないよ」と語っていたメンバーも、最後には全員喜んで着ていました。

そして、今年のWebサイトは昨年同様に「Lucky Brothers & co.」の2人にお願いしました。年々情報量が増えるイベントのページを作るのは簡単ではなく、直前で変更も多いので、進行も大変だったと思いますが、スムーズに更新作業が行えたのは、2人のおかげです。

SAJ2017というイベントは終わりましたが、僕は全然終わったような気がしません。既に来年に向けた話し合いが始まっているだけでなく、SAJ2017をきっかけに、様々な取り組みが進行していて、やらなきゃいけない事が盛りだくさんだからなのかもしれません。課題というか、宿題をたくさん頂いた、SAJ2017でした。

反省も多いイベントですが、このようなイベントを継続して実施することで、普段スポーツを楽しんでいる人やスポーツチームの現場で奮闘されている方々の不満を取り除ければと思っております。スポーツファンとしての自分を忘れずに、今後も様々な取り組みを続けていきたいとおもいます。