「攻撃の川崎、守備の広島。勝つのはどっちだ。」2014年J1第2節 サンフレッチェ広島対川崎フロンターレ プレビュー

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2014年J1第2節、川崎フロンターレの対戦相手は、2012年、2013年シーズンのリーグチャンピオンであるサンフレッチェ広島です。昨年の対戦成績は1勝1敗。広島での対戦では、2-2に追いついたものの、最終的には突き放されて2-4で敗戦。しかし、等々力での対戦では、終始ゲームをコントロールして2-0で勝利。チームの成長を感じさせてくれたゲームでした。

前節のヴィッセル神戸戦は2-2の引分け。アディショナルタイムに追いつかれてのドローという結果は、逃げきれなかったという印象もありますが、僕個人としては3-1に出来なかったのが、追いつかれた要因だと感じています。

前節の結果を踏まえて、王者広島にどう戦うのか。シーズンは始まったばかりですが、今シーズンを占う重要な1戦です。

広島の守備をいかに崩すか

この試合の大きなポイントは、広島の守備をいかに崩すかに注目です。広島の守備の大きな特徴は、「危ないスペースを人で埋めてしまう」守備です。スペースを埋めてしまえば、突出した個人技や、相手を外す能力が不足しているJリーグのチーム相手であれば、このやり方で上手く守りきれてしまいます。現役時代、スペースカバーに長けたボランチだった森保監督らしい発想です。

そして、昨シーズンのリーグ最少失点という結果を踏まえて、「守備のポジショニングの共通理解が出来た」と判断した森保監督は、前からボールを奪う守備に着手しています。ゼロックス杯のFマリノス戦、J1開幕戦のセレッソ戦を観ていても、ボールを奪いにいくラインを、昨年より前に設定し、昨年より守備組織の完成度は高まっているという印象を受けました。

川崎の開幕戦を観ている限り、広島の守備をかいくぐってペナルティエリア付近までボールを運ぶのは、問題なく出来ると思います。問題は、風間監督の言葉を借りるなら「ペナルティエリアの3辺をいかに崩すか」です。広島の塩谷と水本はスピードがあって、1対1の対応が非常に上手いDFです。2人の目が届く範囲でボールが動かしているだけでは、崩せません。

だからこそ、広島の選手の逆をいかにとれるか。特に、塩谷と水本の背後がとれるか。
キーマンは、前節ゴールを挙げた小林悠だと思います。

彼が、水本の背中をとって何回ボールを受けられるか。そこに注目したいと思っています。

ダブルボランチの組み合わせ

前節のヴィッセル神戸戦は、ダブルボランチはパウリーニョと大島僚太の組み合わせでしたが、今節は稲本と山本の2人に代えるようです。
代える理由として考えられるのは、2つあります。

1つ目は、自分たちの距離で戦うためです。山本真希の持ち味は、豊富な運動量とミドルシュートです。特に、豊富な運動量を活かして、いろんな局面で顔をだす動きは、昨シーズンの川崎の攻撃と守備の支えとなっていました。ヴィッセル神戸戦の課題は、70分以降自分たちの距離で戦うことが出来なかったことです。その課題を、選手を代えることで解決しようという狙いが見て取れます。

2つ目は、去年のよい形で戦うためです。昨シーズン終盤の快進撃を支えたのは、稲本と山本のダブルボランチ、ジェシと井川のセンターバックです。ラスト5戦の失点はわずか1点です。広島は先制すると強いチームで、不要な失点を避ける戦い方が求められます。昨シーズン結果を残した守備に自信があるメンバーで臨むことで、主導権を握って戦いたいという狙いが見て取れます。

付け加えるならば、決してパウリーニョと大島僚太のダブルボランチの組み合わせが悪い、という判断は風間監督はしていないと思います。長いシーズンを考えると、複数の組み合わせを使い分けることが求められます。ダブルボランチの変更は、あくまで選択肢のひとつを選んだに過ぎない、と僕は思っています。

エースストライカーの扱い方

個人的には、両監督の佐藤寿人と大久保嘉人という2人のストライカーの扱いに注目しています。

佐藤寿人はゼロックス杯と開幕戦は後半20分頃に交代させられていました。今まで、勝っている試合に休ませるために早めに交代させることはあっても、開幕戦は0-0の同点での交代ということもあり、これまでのように、森保監督は佐藤寿人を絶対的なエースとして捉えていない、と感じました。

石原が好調なこともあり、この試合の出来によっては、佐藤の立場はいっそう厳しくなると思います。高萩が復帰したら、もしかしたらスタメンを外れるのは、野津田ではなく、佐藤かもしれません。佐藤にとっては、自分のチーム内のポジションを確保するうえでも、重要な1戦になると思いますし、結果が出なくなった時に森保監督が今後どうマネジメントするのか、注目していきたいと思います。

一方、川崎のエースストライカー大久保嘉人は、まだ公式戦ノーゴール。動きは良いのですが、シュートを打つときに力みが見られました。

こちらは、佐藤と違ってチーム内でのポジションを確立しているため、すぐにスタメンを外れたりすることはないと思うのですが、気になるのはヴィッセル神戸戦が終わった後の風間監督のコメントです。

今我々が一番コントロールしなければならないのが自信というものだと思います。
すごくみんな自信を持っているので、もっとやれるもっとやれるということでミスが増えてきたり、
あるいはすべての選手ではないですが、そこのところで平常心できっちりやれていない選手もいますから、
そういう意味でその自信というものを、我々のチームとしても個人としても、
みんなで扱っていく作業に入っていかなければならないと今日の試合で思いました。
そちらのほうが私の中では大事なことかと思います。

この発言を聞いた時、真っ先に思い浮かべたのは大久保嘉人のことでした。
大久保は「ボールをもっと自分に預けて欲しい」という発言を繰り返していますし、周囲にも要求しています。この言葉は、自分のプレーに対する自信があるから言える言葉です。

しかし、自信があるからこそ、プレーの力みが生まれ、普段の大久保ならしないミスが出ていると、開幕戦を観ていて感じました。

大久保のプレーを観ながら、開幕戦後の風間監督の発言の真意を、より深く考えてみたいと思います。

シーズンの結果を占う上で重要な1戦

見どころを3つ挙げましたが、シーズン序盤にもかかわらず、シーズンの結果を占う上で重要な1戦です。
非常に楽しみです。

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