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佐藤寿人の起用法から考える、エースストライカーと監督の微妙な関係

   

最近、Jリーグについて個人的に気になっていたのは、サンフレッチェ広島のエースストライカーである佐藤寿人の事です。

第18節の鹿島アントラーズ戦に45分出場した後、それまでチームのエースストライカーとしてスタメンに名を連ねていた佐藤寿人の名前が、スタメンから消えました。どうやら、前半45分で交代したことに対して、佐藤が森保監督に不満を述べたことが要因のようなのですが、僕はそれだけでじゃないと思っています。

なぜなら、森保監督が就任してからの佐藤寿人の起用法をみていて、監督とエースストライカーの微妙な関係をずっと感じていたからです。

90分試合に出さない理由

森保監督が就任して以降、佐藤寿人は90分出場する試合が少なくなったと、僕は感じています。森保監督が、「1シーズン活躍してもらうために、無理をさせないための起用法だ」と、コメントしていたのを読んだことがあります。これは、監督の本心だと思います。

佐藤の身長は170cm。大柄ではない佐藤が、1シーズン相手のDFの標的となるFWのポジションを務めるのは、簡単なことではありません。森保監督が、1シーズン通して佐藤に活躍してもらうために、試合出場時間をコントロールしたのは、当然だと思います。

しかし、選手としては、全試合90分試合に出たいものです。ましてや、佐藤のように10年連続10ゴール以上という記録を残し、チームを勝利に導いてきた選手であれば、なおさらです。佐藤はことさらプライドやエゴを全面に出す選手ではありませんが、だからこそ内に秘めた思いがあったはずです。

危機感を与える監督、発奮する選手

また、サンフレッチェ広島の試合を見ていると、得点が欲しい場面で佐藤を交代させ、若手の選手が出場することがありました。森保監督は佐藤を途中交代させることで、特別扱いしていないということをチームに示すだけでなく、佐藤に危機感を与えようとしていたのではないかと、僕は思います。

佐藤が凄いのは、得点が欲しい場面で途中交代した試合が何試合か続いた後、必ずゴールという結果を残してきた点だと思います。悔しい思いを胸に秘め、結果に繋げることが出来たからこそ、彼はプロの世界で生き残ってきたのだと思います。そういう意味では、森保監督の起用法は、狙い通りだったのだと思います。

力の落ちてきたエースをどう扱うのかが、監督として一番難しい

ただ、2013年シーズンはラスト7試合ノーゴール、2014年シーズンは8試合ノーゴールの期間があるなど、佐藤がゴールを奪えない試合が増えてきている事も事実です。佐藤のゴールが増えないことが、サンフレッチェ広島がなかなか順位が上向いていかない要因の1つだと思います。

森保監督は若手の皆川や野津田が台頭してきたので、佐藤ではなく他の選手を起用することで、状況を打開しようとしているように思えます。状況の変化、自分の実力の変化、こういう変化に一番敏感なのは、選手です。ましてや、10年以上結果を残してきたエースストライカーであれば、なおさらです。簡単に現実を受け止められるわけではないと思います。佐藤が不満を訴えたのは、様々な要因が積み重なったからだと、僕は思うのです。

プロ野球の世界では「力の落ちてきたエースをどう扱うのかが、監督として一番難しい」と聞いたことがあります。エースとしてのプライドは人一倍高いけど、力は以前に比べて衰えてきている。結果も残しているから、それなりに良い待遇を求めますし、給料だって安くはありません。

僕は、佐藤が「力の落ちてきたエース」だと思ってはいませんが、若手が台頭し、エースの座を脅かすようになった時、どうするか。本当に難しい問題です。

だからこそ、森保監督が佐藤をどう扱っていくのか。森保監督の扱いに、佐藤はどう対応するのか。
僕は凄く興味があります。どこに着地するのか、注目していきたいと思います。

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