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子どもの夢を自ら実現させる方法。書評「世界で通用するサッカー選手育成を目指せ! 「自ら考える」子どもの育て方」(髙﨑康嗣)

   

Jリーグの下部組織に子供を入れることに、凄く熱心な親御さんが多いと聞いたことがあります。ブラジルワールドカップの日本代表をみても、Jリーグの下部組織出身の選手が9名。Jリーグが始まって21年経ちますが、確実に下部組織による育成は身を結んでいるといえます。

Jリーグの下部組織は、どのような考えで選手を指導しているでしょうか。近年、Jリーグの下部組織で目覚ましい成果をだしているチームの1つが、川崎フロンターレU-12です。ダノンカップ日本大会を4連覇し、世界大会への出場も果たしました。全日本少年サッカー大会にも3大会出場(いずれも2013年現在)しています。また、川崎フロンターレU-12は、FCバルセロナの下部組織に所属している久保建英君、2013年FIFAU-17ワールドカップの日本代表になった三好康児選手も、川崎フロンターレU-12の出身です。

以前、僕が川崎フロンターレU-12のことを知ったのは、3年前に、マドリッドで開催されたダノンカップに参加している映像を観たのがきっかけでした。ダノンカップの映像を観た時、川崎フロンターレU-12の選手たちが、自分たちの力で、フィールド上だけでなく、大会に参加する上での様々な問題を解決していこうとしているのを観て、「12歳でここまできちんと考えることが出来るんだ」と感じたことを覚えています。

川崎フロンターレU-12の選手は、なぜ自分たちできちんと考え、問題を解決していくことが出来るのか。そして、どうやって選手を育てているのか。川崎フロンターレU-12の監督を務める髙﨑康嗣さんの考えを、川崎フロンターレを日頃から取材されている江藤高志さんがまとめた書籍が、本書「世界で通用するサッカー選手育成を目指せ! 「自ら考える」子どもの育て方」です。

本書には、「自ら考える」子供の育て方のメソッドが数多く収録されていますが、僕が最も印象に残ったのは、「逆算させて夢を語らせる」という項目です。

子供は夢を実現させる方法を知らない

子供たちは誰もが夢を持っています。ただ、それを実現するための具体案を考える子供は、ほとんどいません。なぜなら、大人が考えていないし、教えることが出来ないからです。川崎フロンターレU-12では、「夢からの目標」を6〜8時間かけて設定し、10年、5年、1年というスパンで夢をかかげます。例えば、18歳でバルセロナと契約するという夢を書く子供がいたら、それを実現しようとしたら、13〜16歳の間にはバルサから契約を求められなければならない、といった具合です。

夢を実現させるための目標シート

だから、川崎フロンターレU-12では、夢を実現させるために1年間の具体的なスケジュールを立て、目標を立てる理由を考えます。最後に、子供たちに目標シートを作ってもらいます。月ごとにサッカーや生活における目標を作り、まとめ、毎日の練習や生活を自己評価します。目標シートを実践し、少しづつ自分の目標に近づけていく。上手くいかないようなら、都度計画を見直す。というわけです。

目標シートを使って、実際に目標を達成させる力を身につける手法は、日本一の陸上部を作った原田隆史さんが導入していたのを、読んだことがあります。川崎フロンターレU-12では、目標シートに毎日子どもが記入していくのは簡単ではありませんが、目標シートを書いたら、コーチや親御さんがレビューを返し、反応があることで、続けられるように工夫しています。とはいえ、12歳の子どもがここまで考え、自分で夢を実現させるためにすべきことを実行するのだということに、とても感心しましたし、2児の父親として、子育ての参考になりました。

子どもの育て方について書かれた1冊ですが、大人が自分自身のために読んでもためになる1冊です。

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