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「センスがいい人」は自分の事をよく知っている。書評「センス入門」(松浦弥太郎)

      2014/09/30

僕は、「センスがいい」と言われると、恥ずかしい気分もありつつ、心から嬉しい気持ちになります。もしかしたら、「センスがいい」という言葉は、僕にとって一番言われたい褒め言葉かもしれません。なぜなら、「センスがいい」と言ってもらえるということは、自分自身の考えや行動を、まるごと褒めてもらえた。そんな気分になれるからです。

では、「センスがいい」と言ってもらえるには、どうしたら良いのでしょうか。ファッション雑誌をみれば、おしゃれな服装の写真が掲載されていて、グルメ雑誌を読めば、きれいで美味しそうなお店の料理と写真が掲載されていますが、おしゃれな服を着て、美味しそうなお店でご飯を食べていれば、「センスがいい」と言ってもらえるのでしょうか。そもそも「センス」とはどうすれば身につけられるのでしょうか。たぶん、分かっている人が少ないから、ファッション雑誌やグルメ雑誌を読んで、センスがよい(といわれる)事を実行しようとするのだと思います。

本書「センス入門」は、「暮しの手帖」の編集長を務める松浦弥太郎さんが、「センス」はどうすれば身につけられるのか、「センス」とはなにか、といった「センス」にまつわるあれこれについて、自身の考えをまとめた1冊です。

「センスがいい人」は「美徳」を身につけている人

「センス」とはなにか。著者は、本書の中で「美徳」という言葉で表現しています。

「美徳」とは、「人に尽くす」とか、「人に対してすなおに生きる」とか、「自分自身にとても正直にすなおに生きる」というような意味があるそうです。つまり、美しい生き方とか、すなおな生き方とか、すなおな心を持っているいることが、「センスがいい」という事にとても良く似ていると、著者は語っています。

では、日本人が持っている「美徳」とは何か。著者は本書の中で、日本人が持っている美徳として、10個の要素を挙げています。

  1. 「武士道」
  2. 「徳を積む」
  3. 「わび」と「さび」
  4. 「義理と人情」
  5. 「粋」であること
  6. 足るを知るという意味の「知足」
  7. 「謙遜」
  8. 「無常感」
  9. 「改善」
  10. 「志」

これら10個の要素を身につけた人を、日本人にとって「センスがいい人」だと、著者は語っています。

「自分のスタンダードを整理しておく」

では、「センスがいい人」、つまり日本人らしい「美徳」を持っている人になるには、どうしたら良いのか。本書には、様々な方法や考え方が書かれていますが、僕が最も印象に残ったのは、「自分のスタンダードを整理しておく」という言葉です。

みんなそれぞれ、自分なりに小さな週間や約束ごと、つまり自分にとってのスタンダードを持っています。しかし、それをいつでも取り出せるようにきちんと整理している人は少なくて、ほとんどの人は心の中の引き出しにくしゃくしゃにして突っ込んであるだけになっているというのです。

それをていねいに整理して、自分にとってのスタンダードになるものは何なのかを、まずは洗い出す。そうすることで、自分が大切にしていることや、自分が好きなこと、自分が嫌いなことが、少しづつわかってきます。こうして自分自身のスタンダードを整理することは、自分自身が考える「美徳」の基準を整理することにつながり、結果的には自分自身のセンスを高めることにつながるんじゃないかと、読み終えて感じました。

センスは自分の外側ではなく、自分の内側にあるものなのだとしたら、自分自身の考え、感覚の基準を整理することが、センスを身につける第一歩なのかもしれません。

言い換えると、「センスがいい人」というのは、自分のいいところも悪いところも、よく知っている人なのだと思います。自分のことをよく理解しているから、どんな時でも最適な自分自身を表現できるのだと思います。そんなセンスを身につけた人になるには、まだまだ学ぶべきことがたくさんある。そんなことを実感させてくれた1冊です。

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