すべての創造はたった1人の熱狂から始まる。書評「ソーシャルデザイン 」(グリーンズ)

2014/09/30

「ソーシャルネットワーク」「ソーシャルワーカー」「ソーシャルゲーム」など、「ソーシャル」という言葉を、よく耳にするようになりました。「ソーシャル」という言葉を直訳すれば、「社会」という意味です。「ソーシャル」という言葉が、どこまで意味を理解して使われているかはわかりませんが、隣人との関係や、仕事、ゲームの世界も含めて、自分たちが生活する「社会」について、考える機会は、年々増えてきていると感じます。

自分たちが住む社会には問題が多く、抱えている問題が日々のストレスとなってのしかかってくるなか、どうやって問題を解決していけばよいのか。そんな悩みのヒントになりそうなのが、この1冊。本書「ソーシャルデザイン」は、様々な社会問題を解決した世界中のアイディアを紹介している1冊です。

楽しく問題を解決する

印象に残ったのは、スピード違反者を減らすために、「スピードを「守った」人に宝くじが当たる」という仕組み。実際に、スウェーデンのストックホルムで試験的に導入され、3日間で22%も平均時速が下がったそうです。何かを実行した人にメリットがあるというのは、人に何かをやってもらいやすくなります。

「楽しい」「役に立つ」「モノがもらえる」なんでもいいのです。問題が解決したら、実行した人にメリットがある。その事を生真面目に伝えても、人には伝わりません。生真面目なことほど、知恵を絞って、面白く伝える。これは「広告コピーってこう書くんだ!読本」という本で、谷山雅計さんも語っていたことですが、楽しく問題を解決してもらう仕組みを考えることが、社会問題を解決するには重要なのだと、本書を読み終えて感じました。

まずは出来ることがやってみる

また、社会問題を解決しようと考えると、いきなり大きな問題から解決しようとして、問題の大きさに押しつぶされて挫折してしまいがちです。まずは、自分が出来ることでいいから、コツコツと続けていくことが大事なのだと思います。自分がやっていることを人に伝えたり、人に見てもらって共感してもらい、協力者が増えたら、少しづつ大きな問題に取り組んでいけばいい。そう感じました。

サイバーエージェントの創業者である藤田晋さんは、「すべての創造はたった1人の熱狂から始まる」と語っていたことがあります。
取り組む問題は、なんでもいいと思います。まずは、自分1人でもいいから、熱を上げて問題を解決するために、全力で取り組むこと。それが、社会を変える力を持つことがある。本書は、そんな事を教えてくれる1冊です。

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