nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

書評「腹を割って話した(未知との遭遇)」(藤村忠寿,嬉野雅道)

   

「水曜どうでしょう」という番組の事は、ご存知でしょうか。北海道テレビという地方局で放送されていた番組は、噂が噂を呼び、全国で放送される人気番組に成長。2002年に番組が終了した後も、発売される過去の番組を再編集したDVDは大ヒット。2013年に開催された「水曜どうでしょう祭り UNITE」は、3日間で約47,000人を動員しました。

「水曜どうでしょう」という番組は、鈴井貴之、大泉洋という2人の出演者だけでなく、2人のディレクターなくしては成り立ちません。演出・編集を担当する藤村忠寿、撮影を担当する嬉野雅道。4人の関係性あってこその、「水曜どうでしょう」。そう考えるファンは多いと思います。

本書「腹を割って話した(未知との遭遇)」は、2013年に放送された最新作「初めてのアフリカ」の前後に、藤村さんと嬉野さんの2人が語った、近況、仕事に対する考え、会社に対する不満、最新作への想いなどをまとめた1冊です。

あえて考える組織や会社について

読んでいて面白かったのは、彼らが考える「組織」の話です。特に藤村さんはHTBの社員でありながら、韓国のテレビ局の番組を作ったり、他局の番組に出演したり、俳優として舞台に出演したり、1人の会社員としての立場を超えて、幅広く活躍しているので、「会社なんてどうでもいい」「組織なんてどうでもいい」と思っているのかと思いきや、そんなことはありません。人一倍、組織のこと、会社の事を意識して、仕事をしているのが分かります。会社員としての悩みは、藤村さんであろうと、嬉野さんであろうと、同じなのです。

藤村:人間が持っているものさえ出れば、面白くなる。だからと言ってね?何も持ってない人が行ったら、それは不安しかないよ。仕事もそうじゃないですか。なんにも持ってない人がいたら、その人は周囲に不安をまき散らすだけなんですよ。自分の役割がわからないのに職務で入れられちゃって、「これ今、どうなってますか?」「大丈夫でしょうか?」みたいにさ、自分の不安をどんどんこっちに被せてくるから。
嬉野:そういう方は・・・いらっしゃいますもんね。
藤村:仕事上ではすごく多い。
嬉野:そうですそうです(笑)。
藤村:おまえの不安は知らねえよと。周りに伝搬させるなよと。そういう人、組織には絶対いるからね。

藤村:番組もそうやって大きくなってくると、会社が口を出してくる。今までは、ほったらかしにしてきたわけですよ。それが今度は会社の責任として、例えば「DVDにこういう問題があるんじゃないか」とか、「これは映していいのか」とか。
嬉野:あー、ねぇ。
藤村:もちろんそれは、「会社の主力商品だから、そこに対して品質を保証しなきゃいけない」っていう良心で、つまりよかれと思ってやってると思う。だけど、根本的な事を彼らはわかってないんだ。僕らはリスクを冒して、冒して、ちょっとずつ冒しながら、表現の幅を拡げてきたっていうのもあるわけですよ。

仕事の仕方が面白いから番組も面白い

「水曜どうでしょう」という番組がなぜ面白いのか。書籍でも語られてきたし、様々な人が様々な立場から語ってきたけど、僕は水曜どうでしょうの面白さの一つは、働き方にあると思っています。藤村さん、嬉野さんの2人は、プライベートと仕事を分けて考えていないし、自分のやりたい事を形にしようと、日々努力されていることが、本書を読んでいてもよく分かります。ただ、2人は「水曜どうでしょう」が特別視されるのは、嫌だと思います。誰にでも出来ることだし、自分たちだって出来たし、あなたにもやれるだそう。そう思っているのではないかと、読みながら感じました。

気軽な気持ちで読み始めたのですが、すごく学びの多かった書籍でした。「水曜どうでしょう」に興味がない方も、面白いと思える1冊だと思います。

おすすめ

 - , ,