「スポーツビジネス最強の教科書」に学ぶスポーツビジネス。第1回:アメリカのスポーツリーグ

2013/09/25

スポーツビジネス最強の教科書

ビジネスの世界でここ数年右肩上がりで成長している業界があります。それは、スポーツビジネスです。スポーツビジネス市場は2014年には1460億ドルを超えると推計されるなど、メディア、スポンサー企業、広告マーケティング、スタジアム、スポーツ用品などの産業を巻き込みながら、巨大なビジネスへと成長しています。

スポーツビジネスの現状を踏まえて、改めてスポーツビジネスについて勉強してみようと考え、手にとったのが平田竹男さんの著書「スポーツビジネス最強の教科書」です。

平田さんは通産省を経て、日本サッカー協会の専務理事を務めたかたで、現在は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授を務めてらっしゃいます。平田さんが教えた生徒には、あの桑田真澄さんがいらっしゃいます。

平田さんの著書「サッカーという名の戦争-日本代表、外交交渉の裏舞台-」が面白かったので、「スポーツビジネス最強の教科書」も楽しみにしていたのですが、非常に読み応えがある本なので、自分が興味をいだいた箇所はメモとしてブログに残しておこうと思います。

今回はアメリカのプロスポーツリーグについて、書かれた箇所の読書メモをご紹介します。
※データは2012年10月の出版当時のものです。

NFL

  • シーズン開始前に全チームの黒字が決まっており、スポーツビジネスで最も成功しているスポーツと言われている
  • 収益ランキングの1位はヤンキースの4億2700万ドルだが、上位20位中17チームをNFLが占める
  • スーパーボウルの全米平均視聴率は46%
  • スーパーボウルのCM放映権料は30秒1枠で350万ドル。50から60のCM放送枠が即座に売り切れる
  • NFLにはゲーム開始72時間前までにチケットが完売してない場合、開催地の地元都市圏半径75マイル(約121km)圏内でそのゲームのTV中継が行われない。地元ファンにスタジアムに来てもらうことが狙い。
  • NFLはレベニューシェアと呼ばれる収益分配制度をしき、TV放映権料、入場料収入、グッズ収入、スポンサー収入の4つの収入をリーグ全体で管理し、全チームに均等に配分している
  • チームの収入で分配金が占める割合は70%
  • レギュラーシーズンとポストシーズンの放映権料の交渉は、すべてリーグが一括して行う
  • 入場料収入は各試合のチケット収入の40%がリーグ全体の収入、60%がホームチームの収入になる
  • グッズ収入はすべてリーグ全体の収入になる

MLB

  • MLB各チームのほとんどは黒字。複数の企業がそのチームの宣伝効果を求めてスポンサーになる
  • 各球団はチケットやローカルの放映権、ローカルスポンサーの収入を管理する。それ以外の権利はリーグが管理
  • 地上波やインターネットの放映権、リーグスポンサー収入、オールスター、ワールドシリーズの興行収入はすべてMLBの関連会社が管理している
  • 2000年に立ち上げたMLBアドバンスト・メディアという会社は2001年は3600万ドルの売上だったが、2010年は5億ドルの売上まで伸びている
  • マイナー球団はほとんどが独立した経営を行っている
  • マイナー球団が独自に契約した選手の給料は、その球団の入場料収入やグッズ収入で賄われている

NBA

  • アメリカ4大スポーツのなかで最も選手平均年俸が高いのがNBA
  • スポーツチームの平均年俸ランキングの上位10チームのうち6チームをNBAのチームが占めている。
  • NBAでは1チームが保有できる選手の上限が12人。
  • 1人あたり約500万ドルの平均年俸を支払っているチームが多く、選手人件費の総額は約6000万ドル程度と予想できる
  • NBAの収益ランキングで1位はニューヨーク・ニックスの2億2600万ドル。続いてロサンゼルス・レイカーズの2億1400万ドル。NBA全チームの平均収益額は約1億2700万ドル
  • 2009年にはクリーブランド・キャバリアーズがNBA市場初めて外国人(中国の投資家グループ)に株式を売却
  • 2009年にはニュージャージー・ネッツがロシア人投資家に球団およびアリーナの株式を売却
  • 2007年には「NBAチャイナ」を設立。中国ではバスケットボールおよびNBAの人気が高く、50以上のTV局がNBAの試合中継を行っている

NHL

  • アメリカ4大スポーツの中でも最もリーグの総収益が小さい。
  • 収益ランキングの1位はトロント・メイプルリーフスの1億9300万ドル、続いてニューヨーク・レンジャースの1億6900万ドル
  • NHL全チームの平均収益額は約1億300万ドル
  • 4大スポーツ史上で、1シーズンの全試合キャンセルを行ったのはNHLだけ

MLS

  • 1996年に開幕。2005年からチーム数の増加が始まり、2012年には19チームまで拡大。
  • サッカーのリーグとしては珍しく、選手年俸に上限を設ける「サラリーキャップ」や前年度の成績の悪かったクラブから新人を獲得できる「サラリーキャップ」制度を導入している
  • 2007年から特別指定選手制度を導入し、オーナーが年俸を自由に設定できる選手を3人まで獲得できるようになった。特別指定選手の第1号はデビッド・ベッカム
  • 1996年シーズンは約2万人の観客動員があったが、翌シーズンから大きく落ち込んだ
  • 200年以降はチーム数を拡大しながら少しづつ平均入場者数を伸ばし、2011年シーズンはNBAとNHLの平均入場者数を上回った
  • 新規フランチャイズ加入料も、2011年シーズンは約50億円。2005年は7億円
  • 2004年にはMLSとアディダスとの間で10年間で150億円という契約を締結。契約途中にもかかわらず2010年には2018年までの8年間で200億円相当と言われる契約を締結
  • 2011年シーズンの平均観客動員数1位はシアトル・サウンダーズの3万8000人
  • MLSのチャンピオンを決めるMLSカップの視聴率は1%

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