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「スポーツビジネス最強の教科書」に学ぶスポーツビジネス。第7回:Jリーグの新人育成とクラブ経営

      2013/10/26

スポーツビジネス最強の教科書

ビジネスの世界でここ数年右肩上がりで成長している業界があります。それは、スポーツビジネスです。スポーツビジネス市場は2014年には1460億ドルを超えると推計されるなど、メディア、スポンサー企業、広告マーケティング、スタジアム、スポーツ用品などの産業を巻き込みながら、巨大なビジネスへと成長しています。

スポーツビジネスの現状を踏まえて、改めてスポーツビジネスについて勉強してみようと考え、手にとったのが平田竹男さんの著書「スポーツビジネス最強の教科書」です。

平田さんは通産省を経て、日本サッカー協会の専務理事を務めたかたで、現在は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授を務めてらっしゃいます。平田さんが教えた生徒には、あの桑田真澄さんがいらっしゃいます。

平田さんの著書「サッカーという名の戦争-日本代表、外交交渉の裏舞台-」が面白かったので、「スポーツビジネス最強の教科書」も楽しみにしていたのですが、非常に読み応えがある本なので、自分が興味をいだいた箇所はメモとしてブログに残しておこうと思います。

今回はJリーグの新人育成とクラブ経営について、書かれた箇所の読書メモをご紹介します。

Jクラブの新人育成

  • Jクラブにおけるユース出身の人数が2002年の2.56から2010年の6.63へと2.5倍ほど増加
  • レギュラーは2002年の0.74から2010年の1.63と2倍以上に増加、サブメンバーも2002年の0.48から2010年の0.89へと増加
  • ユース出身の選手の人数が増加しているものの、試合に出場できずにいるユース出身選手のほうが多い
  • 2002〜2010年の「レギュラー」クラスのユース出身選手数の平均値をみると、ガンバ大阪がJクラブ平均の約4倍、次いでサンフレッチェが3倍
  • Jクラブには育成がチームの強化や収入につながる投資と考える発想が欠けている。普及にばかり重きをおいた育成を行うクラブが多い。
  • 1999年の新人選手数を見ると、ユース出身選手数と大卒選手数が同程度で、高卒選手数が最も多いが、2000年をピークに減少傾向にある
  • ユース出身の新人選手も2009年から2010年にかけて減少している

浦和レッズのクラブ経営

  • 2010年の時、浦和レッズは、広告料収入が22億5600万円、入場料収入が22億4900万円
  • 収入が30億円以上のクラブで、広告収入が最も多く、入場料収入が最も少ないのが大宮アルディージャ。広告料収入が22億8600万円に対し、入場料収入が3億7500万円
  • 浦和レッズの営業収入をみると、1996年には約40億円を超えていたが、J2降格がきまった1999年の約29億円まで毎年減少の一途をたどっている
  • 2002年に約34億円であった収入は2003年には約43億円へと拡大し、スポンサーの公開入札制を開始した2004年には約56億円まで拡大。2007年にはJリーグ史上初めて70億円を超えた。
  • 1996年以降は平均2万人以上の観客動員数をほこっている。2001年から埼玉スタジアムに本拠地を移し、2006年においては1試合平均が4万5573人を記録
  • 三菱自動車の経営不振を契機に、グッズ収入や広告料収入の他に入場料収入の拡大を図り、自立経営のためのアクションを行った。
  • 2005年には親企業である三菱自動車との損失補てん契約を解消した。

アルビレックス新潟のクラブ経営

  • 北信越リーグやJFLといった下位リーグに所属していた1998年までの3年間、アルビレックス新潟は最大で約2億5000万円もの赤字が続いていました。クラブの収入総額も北信越リーグにとど待っていた1996年、1997年は6000万円から8000万円程度
  • J2昇格を果たした1999年には、収入額を4億5000万円に増加し、創設以来の黒字に転換。2001年には新潟スタジアム(ビッグスワン)が完成し、企業からの広告収入が増加し、約6億8000万円の収入となっている
  • 2003年にJ1昇格すると、企業からの広告料収入も前年度の約2倍にまで増加。2006年まで黒字を続け、2006年の年間収入は約28億円に達している
  • JFLに所属した1998年の平均観客数は約2900人で、J2昇格後も平均観客数は4000人程度だった
  • 2001年の新潟スタジアム(ビッグスワン)の完成を契機に、アルビレックス新潟の観客数は急上昇。新潟スタジアムでの開幕戦となった京都パープルサンガ戦で3万1964人の観客を達成し、年間の平均観客数も1万6659人とJ2平均の2倍以上の入場者数を達成
  • クラブの設立当初から、地域に根ざした地域密着型の経営が行われた。ワールドカップ誘致という共通の目的のもとに県サッカー協会と自治体そしてクラブという三者の協力体制が確立されてきた

小規模クラブ(1億5000万円の収入規模)の経営モデル

  • J2入会を目指すクラブには、まず入会前年度に年間1億5000万円程度の事業収入を上げることが要請される
  • 入会後についても、入会年度に年間3億円程度を、その後はすみやかに年間5億円程度の収入を目標とすべきである、とそれぞれの段階の収入構造が示されている
  • 求められている1億5000万円のうち、ユニフォームなどの広告収入が全体の45%の6800万円、入場料収入が33%の5000万円、という収入構造が理想とされている
  • 入場料収入の試算モデルを見てみると、約5300万円の入場料収入を目指すためのシーズンチケット収入を約1700万円としている。その際、シーズンチケットのS席は50枚、シーズンチケットの自由席は1,850枚で1,700万円になる。
  • シーズンチケットの収入が重要なのは、シーズンの頭にクラブにお金が入ってくるので、資金繰りが楽になる
  • 残りの3600万円は当日のチケット収入から得ることを試算している。1試合当たり200万円程度の当日入場料収入が必要
  • スポンサー収入も1社に依存した広告料収入ではなく、スタジアムの看板など、単価が低くとも多くの企業からのスポンサー収入を獲得するモデルが提示されている
  • 6,800万円のスポンサー収入を獲得するためには、30万円の看板広告を60枚で1,800万円、ユニフォーム胸スポンサーで2,500万円、背中スポンサーで1,000万円、袖スポンサーとパンツスポンサーで各500万円づつ集める、という試算

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