「スポーツビジネス最強の教科書」に学ぶスポーツビジネス。第8回:バスケットボール

スポーツビジネス最強の教科書

ビジネスの世界でここ数年右肩上がりで成長している業界があります。それは、スポーツビジネスです。スポーツビジネス市場は2014年には1460億ドルを超えると推計されるなど、メディア、スポンサー企業、広告マーケティング、スタジアム、スポーツ用品などの産業を巻き込みながら、巨大なビジネスへと成長しています。

スポーツビジネスの現状を踏まえて、改めてスポーツビジネスについて勉強してみようと考え、手にとったのが平田竹男さんの著書「スポーツビジネス最強の教科書」です。

平田さんは通産省を経て、日本サッカー協会の専務理事を務めたかたで、現在は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授を務めてらっしゃいます。平田さんが教えた生徒には、あの桑田真澄さんがいらっしゃいます。

平田さんの著書「サッカーという名の戦争-日本代表、外交交渉の裏舞台-」が面白かったので、「スポーツビジネス最強の教科書」も楽しみにしていたのですが、非常に読み応えがある本なので、自分が興味をいだいた箇所はメモとしてブログに残しておこうと思います。

今回はバスケットボールについて、書かれた箇所の読書メモをご紹介します。

バスケットボールの競技団体は、国際競技団体としての国際バスケットボール連盟(FIBA)があり、国内競技団体としての財団法人日本バスケット協会(以下、JBA)がある。傘下にあるトップリーグとして「日本バスケットボールリーグ」(JBL)があり、JBLとは一線を画す独立したJBA公認リーグとして「日本プロバスケットボールリーグ」(bjリーグ)があります。

JBL

  • 国際バスケットボール連盟(FIBA)をトップに、地域ごとのバスケットボール連盟が存在している
  • 日本はアジアバスケットボール連盟(FIVAアジア)に加盟している
  • その下に財団法人日本バスケットボール協会(JBA)があり、JBL、2部のJBL2、バスケットボール女子日本リーグ機構(WJBL)、各都道府県バスケットボール協会、その他さまざまなバスケットボール連盟を組織している
  • bjリーグに関しては「公認リーグ」として位置づけている
  • JBLのチームの経営規模はおおよそ3億円から5億円規模
  • JBLの平均観客動員数は2009年で年間約350,000人、1試合平均観客動員数は2,000人ほど

bjリーグ

  • 管理運営面の中心は2005年3月設立の(株)日本プロバスケットボールリーグであり、これは「リーグ会社」と呼ばれている
  • bjリーグはリーグ事業の安定的発展のため、リーグとチームはシングルエンティティ(リーグが一つの会社となり、各部署としてチームが存在するという組織)を形成しようとしている
  • 事業活動として、放映権、マーチャンダイジング権、リーグスポンサー権などの権利をリーグが一括管理することで、収益を最大化し、各チームに分配している
  • 戦力均衡の検知から完全ウェーバー制ドラフト(前シーズンの下位成績チームが優先的な指名権を獲得する制度)を導入している
  • ドラフト導入の代償として3年という短期間でのFA制度を導入している
  • 経済面からの戦力均衡アプローチとして、サラリーキャップ制を導入している。初年度(2005-2006シーズン)には6,000万円でしたが、2010〜2011シーズンからは年俸総額が7,500万円となった。この金額では外国人が含まれている。
  • 1チームの支出規模はおよそ1億円〜3億円
  • リーグ初年度の2005〜2006シーズンから2008〜2009シーズンまではチーム増加に伴い、総観客動員数も増加の一途をたどっていたが、2009〜2010シーズン以降はチーム数がさらに増加し続ける一方で、総観客動員数は減少している
  • 平均観客動員数は最初の2年以降は減少の一途をたどっている
  • 沖縄、新潟、大阪、滋賀、秋田、島根の6チームは観客動員数に成功しているが、この6チームとその他のチームとの観客動員数の差が大きい
  • 琉球ゴールデンキングスのアリーナ稼働率は93.1%と非常に高い

JBLとbjリーグの統合への動き

  • 2008年に両リーグの統合に向けたトップリーグのあり方検討委員会が設けられ、2010年には同委員会から「次世代型トップリーグを2013年度を目処に創設する」と明記した報告書がJBAに提出
  • JBAは2011年12月に2013年から開始する新リーグ構想を発表。新リーグは「興行(バスケットボールの試合運営事業)を責任もって行える(法的に責任を負える)法人」であることの要請にとどめた
  • JBAの新リーグ構想に対してbjリーグのほとんどのチームが不参加の意向を表明

今後の日本バスケットボール

  • 2006年8月にFIBA世界バスケットボール選手権が日本で開催されたが、日本代表チームの試合ですらテレビのライブ中継もなく、観客動員不振等により10億円を上回る赤字がJBAに残ることになった
  • この世界大会の開催失敗により、日本バスケットボール界は飛躍のきっかけを失った
  • 中学校、高校における競技人口が多い日本のバスケットボールですが、今後観客動員数やテレビ視聴率が増加するためには、日本バスケットボールの世界での活躍が不可欠
  • 平均身長で日本人と差のないアルゼンチンが常に世界の最強国のひとつであることを忘れてはならない

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