「スポーツビジネス最強の教科書」に学ぶスポーツビジネス。第10回:スポーツビジネスのトリプルミッション

スポーツビジネス最強の教科書

ビジネスの世界でここ数年右肩上がりで成長している業界があります。それは、スポーツビジネスです。スポーツビジネス市場は2014年には1460億ドルを超えると推計されるなど、メディア、スポンサー企業、広告マーケティング、スタジアム、スポーツ用品などの産業を巻き込みながら、巨大なビジネスへと成長しています。

スポーツビジネスの現状を踏まえて、改めてスポーツビジネスについて勉強してみようと考え、手にとったのが平田竹男さんの著書「スポーツビジネス最強の教科書」です。

平田さんは通産省を経て、日本サッカー協会の専務理事を務めたかたで、現在は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授を務めてらっしゃいます。平田さんが教えた生徒には、あの桑田真澄さんがいらっしゃいます。

平田さんの著書「サッカーという名の戦争-日本代表、外交交渉の裏舞台-」が面白かったので、「スポーツビジネス最強の教科書」も楽しみにしていたのですが、非常に読み応えがある本なので、自分が興味をいだいた箇所はメモとしてブログに残しておこうと思います。

今回はスポーツビジネスのトリプルミッションについて、書かれた箇所の読書メモをご紹介します。
※データは2012年10月の出版当時のものです。

スポーツビジネスを取り巻く3つのミッション

  • スポーツビジネスは「勝利」「普及」「資金」の3つのミッションを達成することを目指す
  • 達成する上で経営の方向性を示す「理念」を軸に捉えることが重要。この概念を「トリプルミッション」という
  • 「勝利」とは、単に勝つことではなく、最後まで求めること、「勝利」を追求するプロセスで多くのものが得られることを含む
  • 「勝利」という目的を達成するために「理念」に基づいた強化や管理といった手段が重要
  • チームが「勝利」できる環境を作ることも「勝利」の重要な役割
  • Jリーグは「日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進」「豊かなスポーツ文化の進行及び国民の心身の健全な発達への寄与」「国際社会における交流及び親善への貢献」という3つの理念を持っている
  • トリプルミッションの循環には2つ重要なポイントがあり、「起点をどの要素にするか」「どう循環させるか」を考える必要がある
  • 各要素のトリプルミッションは以下のとおり。

競技団体

勝利:代表選手、代表チームの成績
普及:競技人口、メディア露出(代表、リーグ、クラブ・球団、選手)、観客動員数(代表、リーグ、クラブ、球団、選手)
資金:放映権収入、スポンサー収入、入場料収入、ライセンス収入、会費収入、

リーグ機構

勝利:リーグの競技レベル
普及:総観客動員数、メディア露出、選手・チームからの認知
資金:放映権収入、スポンサー収入、ライセンス収入、グッズ収入、(入場料収入)

クラブ・球団

勝利:クラブの成績
普及:観客動員数、クラブ会員数、スクール会員数、メディア露出
資金:放映権収入、スポンサー収入、入場料収入、グッズ収入

選手

勝利:個人の成績
普及:観客動員数、ファンクラブ会員数、メディア露出
資金:スポンサー収入、賞金、報奨金、出場料

日本サッカー界のトリプルミッション

  • 1986年時点で約13億円であったJFAの事業規模は、2005年では約147億円と約11倍にまで拡大
  • キリンホールディングスとは2007年4月から8年間で推定総額120億円(年間15億円)で契約している
  • 電通とは2007年から向こう8年間で総額240億円(年間30億円)で契約している
  • オフィシャルサプライヤーとして、アディダスジャパンと2007年4月から向こう8年間で総額160億円(年間20億円)で契約している
  • サポーティングカンパニーについては、スポンサー料を支払い、各種日本代表戦における広告看板掲出権、チケットキャンペーン権、日本代表エンブレム、マスコット等の広告・販促活動への使用権を得ることが出来る。ただし、この契約は日本のホームゲームなど日本サッカー協会がマーケティング権を完全に保有する試合のみに適用
  • 2011年は、クレジットカード会社のクレディセゾン、ソニーマーケティング、JAL、ファミリーマート、大和証券グループ、三井住友海上火災、アウディジャパンの7社と契約している
  • クレディセゾンとは2007年4月1日から8年間、大和証券グループとは2007年6月1日から8年間、JALとは2007年から2015年まで8年間で総額8億円(推定年間1億円)の契約を結んでいる

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