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スポーツ好きが働きたくなる環境を作ろう

   

先日、名古屋グランパスの公式サイトに掲載された求人情報が話題になりました。

新規社員募集のご案内:WEBマーケティング担当者2次募集のお知らせ

この募集要項の問題点と解説については、以下のWebサイトに書かれていることが、参考になります。個人的には、以下のWebサイトに書かれていることと、同じ意見です。

[コラム][名古屋公式] グランパス観客動員40万人への道(2)「WEBマーケティング担当新入社員の募集のお知らせ」の問題点を検証する(グラぽ)
名古屋グランパスのWEBマーケティング担当者募集につっこんでみる(More Access! More Fun!)

同じ意見だということを踏まえた上で、今回の名古屋グランパスの募集要項の問題を考えたいと思います。

職域を理解していない求人

1つ目は、1つの職種に複数の職種の仕事が詰め込まれていることです。

募集要項を見ると、業務内容は以下のように書かれています。

Webマーケティング
・Webによるマーケティング戦略の企画立案
・顧客情報を元にしたCRM活動との連携
・公式サイトのリニューアル他

「Webによるマーケティング戦略の企画立案」は、Webマーケティング担当の仕事です。「顧客情報を元にしたCRM活動との連携」は、CRMデータを解析するのであればエンジニアとの仕事になりますが、顧客情報を基にマーケティング戦略を考えるなら、Webマーケティング担当の仕事だと思います。しかし、「公式サイトのリニューアル他」は、Web担当者やWebマスターと言われる人の仕事で、Webマーケティングの担当者の仕事ではありません。この業務内容を読みとくと、「Webに関する何でも出来る人を募集している」というように読めます。

スキルに見合う待遇を用意していたのか

2つ目は、待遇です。

募集要項を見ていると、「デジタルマーケティング戦略の立案、実行、検証の実務経験5年以上」と書かれています。紹介した2つの記事にも書かれていましたが、「Webによるマーケティング戦略の企画立案」「顧客情報を元にしたCRM活動との連携」が出来るスキルを持っている人は、それほど多くはありません。Webマーケティングに力を入れている企業なら、こんなスキルを持っている人材がいたら、大歓迎です。それなりに良い待遇を払ってでも、欲しいと思うでしょう。このレベルで実力が伴った人材を引き抜こうと思ったら、年収600万円じゃ難しいと思います。

Jリーグのスタッフの給料は、一般的な企業と比較しても、高いレベルとは言えないと、聞いたことがあります。僕は、名古屋グランパスがどのくらいの待遇を用意していたかわからないのですが、正直年収600万円以上の待遇を用意していたようには思えないのです。

スポーツが好きな人が働きたくなる環境を

僕は名古屋グランパスの取り組みは、Webを通じてファンとのコミュニケーションを強くするための取り組みとしては、悪いことではないと思っています。むしろ、何もしなかったり、広報担当者がSNS担当者を兼ねているようなチームに比べたら、問題意識を持って、取り組んでいこうという意志を感じます。

この募集要項を読んで、スポーツが好きな人、名古屋グランパスが好きな人で、仕事に興味がある人がいれば、入社したいという人もいると思います。ただ、僕はこの募集要項を読んで応募してきた人の熱意を、利用したり、踏みにじるようなものでなければよいな、と思いました。

日本は、エンターテイメントやスポーツの仕事につければ、多少は待遇が悪くても構わないという人が多く、こうした人達の善意と熱意に支えられて、運営されています。ただ、本当に優秀な人材を集めて、「スポーツで世界を変えよう」という考えがあるならば、一般企業でバリバリと活躍している人を引っ張ってくるくらいのビジョン、待遇、環境を用意すべきなのです。

募集要項からは、名古屋グランパスがどういうビジョンを持って、人材を募集しているのかが伝わってこないのが、大変残念です。

優秀な人材が集まるヨーロッパやアメリカのスポーツ業界

昨今、ヨーロッパでもアメリカでも、プロスポーツ業界には優秀な人材が集まっています。募集要項もきちんとしていて、一般企業の募集となんら変わりません。一般企業でも優秀な成績を収めた精鋭が、「スポーツで世界を変えたい」という熱意を持って、各チームの募集要項に応募してきています。僕は当たり前のことですが、他の会社でやっていることと同じように、「どんな仕事なのか」「会社のビジョン」などをきちんと伝えれば、優秀な人材は、スポーツの世界にやって来ると思います。現に、FC今治は岡田武史さんがオーナーに就任してから、優秀な人材を続々と今治に集めることに成功しています。

日本でも、今後ビジネスの世界で活躍した人が、スポーツの世界で活躍する機会は、ますます増えていくと思います。今まで縁故や親会社からの出向など、閉鎖的な人材募集しか行ってこなかったスポーツ界が、どうやって優秀な人材を獲得していくべきなのか。そして、ビジネスの世界の経験が、どうやったらスポーツの世界で活かせるのか。名古屋グランパスの事例は、問いかけている気がしています。

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