「レベルが上ったからこそぶつかった課題」ACLグループリーグ ウエスタン・シドニー対川崎フロンターレ レビュー

2014/07/22

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2014年 ACLグループリーグ第3戦ウエスタン・シドニー対川崎フロンターレの試合は、1-0でウエスタン・シドニーが勝ちました。ボール支配率は川崎フロンターレが73%と圧倒的にゲームを支配しましたが、ゴールを奪うことは出来ませんでした。

ボール支配率は上がっても、ゴールが増えない

今シーズンの川崎フロンターレは、第2節の広島戦を除いて、常にボール支配率で相手を上回っています。しかし、ボール支配率の上昇が、ゴール数の上昇に繋がっていないのが現状です。

なぜ、ボールを支配しながらゴールを奪えないのか。その理由は、相手の守備にあります。川崎フロンターレがボールをもつと、相手は自陣深く下がって、守備を固めます。守備を固めた相手から得点を奪うためには、より精度の高いプレーが求められます。つまり、今までと同じプレーをしていては、ゴールが奪えなくなっているのです。

ロスタイムに失点する要因は”パスの回し方”

なお、気になるのはパスを回している場所です。ウエスタン・シドニー戦がわかりやすかったのですが、相手のDFの前でパスを回している時間が長く、相手のDFをパス回しで崩すような局面は、ボールを支配している割には、多くありませんでした。相手の守備の前で、いくらボールを回していても、ゴールは生まれません。

相手の守備の前でボールを回している時間が長くなったのは、選手が相手がプレッシャーをかけてきても、正確なプレーが出来るようになったからですが、その反面、ボールを取られたくないという意識が強くなり、相手にとってパスされてもよい場所にボールを回していることもあります。不要なパスが増えたことによって、相手が守備を固める時間が増えたことが、中々ゴールが奪えない要因だと思います。

そして、相手の守備の前でボールを回しているため、川崎フロンターレがボールを支配しているのに、終盤相手がスタミナ切れせず、逆に川崎フロンターレがスタミナ切れして失点する、ということが起きています。ロスタイムに失点するのは、パス回しがうまくいってないのも、大きな要因です。

ボール支配率が高まったことで増えた失点

そして、高まったボール支配率は、守備に悪い影響を与えています。ボール支配率が高まったことで、自然とサイドバックを始めとするDFの選手のポジションが高くなったのですが、その反面、DFの背後のスペースが広くなり、相手の攻撃を受けると、少ないパスでボールを運ばれることが増えました。

ジェシと井川というセンターバックは、自分の前にいる相手からボールを奪うのはうまいのですが、自分の背後をカバーするプレーは、スピードがあまりないこともあって、得意ではありません。

したがって、スペースにボールを蹴られ、相手に渡ると、ズルズルとゴール前まで下がらされます。守備をする人数も相手の人数と同数であることが多いため、相手に与えているチャンスの数は少ないのに、決められるゴールの数は多い。という結果になっているのです。

昨年とは全く異なる課題

ウエスタン・シドニー戦の敗北で、公式戦4連敗。昨年と同様、スタートダッシュに成功したとはとても言えません。しかし、今年ぶつかっている問題は、昨年とは全く別物です。昨年は、ゲームを支配出来ないことが問題でした。今年は、ゲームを支配しながら勝てないことが問題です。同じ問題のように思えますが、質が全く異なります。

そして、今年の問題のほうが、難易度は高いです。解決するためには、人やシステムを変更しなければいけないのかもしれませんし、練習での意識付けも必要になります。しかし、今は問題を解決するための時間が取れません。中3日で迎えるFC東京戦も移動日が1日あるので、実質中2日です。大きな改善は期待出来ません。

だからこそ、次のFC東京戦は重要な1戦です。

登里の負傷によって、少しメンバーも変わりそうですが、今はチームとしてブレずに今の課題を解決するために、辛抱する時期なのだと思います。

解決方法が見つかった時は、どんなチームになっているのか。その時を楽しみにしながら、見守っていきたいと思います。

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