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書評「失敗することは考えない」(鈴木尚広)-正しい努力が輝ける場所を見つけてくれる-

   

僕はたまに野球の試合を観ることがあります。「プロ野球死亡遊戯」というブログを知ってから、ジャイアンツ戦を観るようになったのですが、ジャイアンツ戦を観ていると思わずテンションが上がる瞬間が2回あります。1回目は、村田さんの華麗なるゲッツー。2回目は、代走に鈴木尚広がコールされた時です。

鈴木尚広が代走でコールされる時、それは、ジャイアンツがどうしても1点が欲しい時です。そして、鈴木尚広が凄いのは、出てきた瞬間から、観客、相手選手の注目を惹きつけてしまうことです。誰もが、鈴木尚広が出てきた瞬間から、鈴木が何をするのか、どうしても警戒してしまうのです。そして、自分のペースに相手に巻き込み、次々と次の塁へと進み、貴重な得点を奪うプレーは、誰も真似が出来ません。

そんな鈴木尚広も2016年シーズンで、37歳を迎えます。歳をとるにつれて、少しづつスピードは衰えてくると言われているなか、鈴木尚広はチームの誰よりも速いスピードで走り、代走という役割で結果を残し続けています。なぜ、鈴木尚広は代走という特殊な役割で結果を残せるのか。その理由は、自分の与えられた役割について、深く考え、徹底的に準備を怠らないからです。その姿は、僕のようなサラリーマンでも学ぶべき点がたくさんあります。

鈴木尚広は、日々何を考え、どんな準備をしているのか。本人の言葉でまとめられているのが、本書「失敗することは考えない」です。

パフォーマンスを上げるためのトレーニング

僕が本書で最も印象に残ったのは、鈴木尚広のトレーニングです。プロ入り後怪我が多かった鈴木尚広は、ある時期からパーソナルトレーナーと契約し、トレーニングを通じて怪我を克服しようと試みます。当初はウエイトトレーニングを行い、筋肉の量を増やすトレーニングが中心だったそうですが、岩館正了さんというパーソナルトレーナーと契約してからは、筋肉をつけるより、インナーマッスルと呼ばれる身体のバランスを司る筋肉を鍛え、思い通りに動かせるようにすることで、身体のバランスを整えるようなトレーニングに切り替えます。

インナーマッスルを鍛え、思い通りに動かせるようになった結果、怪我が減り、身体の力が程よく抜けるようになり、今まで以上にスピードが出るようになったというのです。

僕はアスリートは、一定のパフォーマンスを出すためにある程度の筋肉量のある身体は必要だと思いますが、自分の骨格でコントロールしきれないほど筋肉量を増やしたり、身体を動かすのに不要な部位に筋肉をつけているアスリートが多いと感じます。「ウサギやライオンは肉離れをしない」と言ったのはイヴィチャ・オシムですが、パフォーマンスを改善させるためのトレーニングで怪我が増えたら、それは本末転倒ではないかと感じていました。

正しい努力が輝く場所を見つけてくれる

イチロー選手、50歳まで現役を続けた山本昌さんなど、重い重量を動かすウエイトトレーニングではなく、身体のバランスを整え、思い通りに動かせるようなトレーニングを続けた結果、「太く長く」よいパフォーマンスを披露する選手がいます。鈴木尚広の本を読み終えて、鈴木尚広が代走として長く活躍できる理由が分かった気がします。それは、正しいトレーニングを長い間きちんと続けてきたからです。

鈴木尚広、イチローといった選手が、30代後半を過ぎても、スピードが衰えることなく、20代の選手を凌駕するパフォーマンスをしているのは、30代後半に差し掛かった自分自身にも勇気を与えてくれます。年齢ではなく、正しい努力の積み重ねが、パフォーマンスに現れることを、本書は改めて教えてくれました。そして、正しい努力を続けていれば、自分自身が輝ける場所はいつか見つかることも、教えてくれます。

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