nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

書評「黒本 参」(高城剛)

   

毎週金曜日に発行される高城剛さんのメールマガジン「高城未来研究所「Future Report」」。本書「黒本 参」は、そのメールマガジンに寄せられた「Q&A」を再編集した書籍の第3弾です。

メールマガジンに寄せられた「Q&A」を編集した書籍には、「白本」と「黒本」があります。「白本」では、どちらかというと生き方に関する質問と回答を紹介しているのですが、本書「黒本」は、テレビ、新聞などのメディア、政治、経済、国際社会、などについての質問と回答を掲載しているのですが、「黒本」というタイトルが表しているように、あまり表に出せないような質問に対するQ&Aを掲載しています。

掲載されている質問の例を挙げると、「SMAPの解散騒動をどうみましたか?」「日本礼賛系のテレビ番組が増えてませんか?」「フリーメイソンやイルミナティって?」「憲法9条についてどのような考えを持っていますか?」「反社会組織抗争が活発化?」など、他のメールマガジンでは答えられない質問だと思います。そして、これらの際どい質問にきちんと答えてみせる、高城さんの知識とユーモアを堪能出来るのが、本書「黒本」シリーズです。

ナイキがカッコよかったのは、いつまで?

僕が一番印象に残ったのは、「ナイキがカッコよかったのは、いつまで?」という質問に対する高城さんの回答です。少し長いですが、ご紹介します。

80年代後半、ニューヨークでストリートカルチャームーブメントが生まれました。この現象は、ヒッピームーブメント依頼の米国発の反体制運動で、スーツに革靴が主流だった時代に、スニーカーとダボダボのTシャツや短パンをはく「反逆的な態度」を見せることも、特徴のひとつでした。そのスニーカーとダボダボパンツや短パンを作っていた会社が、ナイキだったのです。

しかし、95年のairMAXを機に人気が爆発し(僕も当時ナイキの仕事をしていましたので、人ごとではないのですが)、ナイキは、反体制のアイコンであることを自ら忘れ、拡大路線を進むことになりました(あわせて、僕も距離を置くようになりました)。同時に、社会的にもスニーカーや短パンをはくことが、「反逆的な態度」ではなく、ただの「ファッション」になってしまったのです。

今では、ナイキはその売り上げからもわかるように、スニーカーメーカーではなく、完全なアパレル企業で、なぜなら、スニーカーよりアパレルのほうが利幅が高いからでして、そのためには、ブランディングが大切になります。そこで、過去20年近くに渡り、友達のフリをした広告や、先端の表現者に金か仕事を与えて、各国でイメージが崩れないようにしていました。この作業を行っていた、広告会社のワイデン&ケネディの罪は大きいと、個人的に思っています。

しかし、リーマンショック以降、人々は「本質」を求める傾向が強くなり、ナイキのような「過剰」なイメージを保持しよとする会社を「ダサい」と見るようになりました。ひとつひとつの商品で見れば、良い商品もそれなりにあると個人的に思いますし、たまに僕自身も商品を購入しますが、今ではリーバイスと並ぶ「凋落するアメリカの象徴」のように思います。

もはや、初心を取り戻して実直なスニーカーを作るメーカーには戻れないでしょう。なぜなら、ブランディングされた「ロゴ」を布につけるだけでボロ儲けすることを、さんざん味わってしまったからです。

「裏」を知ることで、初めて「表」が理解できる。

先日参加したイベント「高城剛 単独トークライブ 読者大感謝祭 in 両国国技館「裏があってもいいじゃないか」」でも紹介されていましたが、物事には表があれば、必ず裏があります。なぜ、あの人は、企業は、こんな事をするのか。こんな事をいるのか。その行動や言動には、必ず「裏」があります。「裏」を知ることで、初めて「表」が理解できる。そんな事を教えてくれる1冊です。

おすすめ

 - , ,