信じる信じないはあなた次第。書評「黒本」(高城剛)

2015/04/21

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毎週金曜日に発行される高城剛さんのメールマガジン「高城未来研究所「Future Report」」。本書「黒本」は、そのメールマガジンに寄せられた「Q&A」を再編集した「白本」の続編です。

日本的システムとは?

本書には、日本のシステム、特にマスメディアを批判する記述が多く登場します。
「最近(2013年)の日本をどのように見ていますか?」という質問に対しては、以下のように語っています。

日本は日本式儒教システムを土台にした封建制度な社会主義だったのですが、
今は封建制度を守りながら新自由主義に移行しようとしているので、
無理が生じています。
その教えは儒教のままで、地位や年齢の高い人が絶対です。
「先輩」や「上司」には、逆らえません。

「高城さんがよく言う「日本的システム」とは、何ですか?」という質問に対しては、以下のように語っています。

日本の儒教は、
「目上の権力者が築いたフレームを壊すな」という教えなのです。
そして困ったときには、上下関係を正そうとするのではなく、
下のものたちだけで互いに工夫し助け合え、という思想です。
後者は今日「絆」や「和」という言葉に置き換えられています。

「高城さんがよく「日本的システム」が日本の問題の本質だとおっしゃってますが、これは変えられないものなのでしょうか」という質問に対しては、以下のように語っています。

「気合い」など国際社会では説明できないものの根幹も同じです。
その元凶はなんどもお話しているように、マスメディアにあります。
これが変わらない限り日本が良くなることはありません。
なぜなら、本当の事を国民に知らせず、
考える隙も与えずに、古いシステムを維持することだけを考えているのが、テレビだからです。
(中略)
テレビと大手芸能事務所の大企業広告に依存する共犯関係は、
日本の国益を大きく損ねています。

メディアに掲載された情報に価値はない

こうした記述を目にする度に、僕が思いだす言葉があります。それは、FIFA公式代理人を務め、日本最大の代理人事務所「JSP」の取締役を務める西真田佳典さんが、Numberのインタビューで語っていた言葉です。


「メディアに流れた情報は、我々にとって価値はない」

僕はこの言葉を聞いた時から、情報との関わり方が変わりました。よくよく考えてみると、自分でも重要な情報は、口頭で、もしくはメールなどのツールを使って、直接相手に伝えます。よく考えたら、不特定多数の情報に対して発信されたWebやメディアに掲載された情報に、価値のある情報が流れるわけがないのです。

だから、大切なのは、なぜこういう情報が掲載されたのか、どういう人が読んでいるのか、その情報が流れた「背景」を読み取ること。その重要性を、高城剛のメールマガジンや「黒本」を読んでいると感じます。

高城剛が必要な年収

個人的に興味深かったのは、「高城さんにとって必要な年収っていくらですか?」という質問に対する回答です。

この3ヶ月、自分の食費を振り返ると、
毎月1万円は使っていません。服は一着も買っていません。
しかし、食費が10万円を超える月もありますし、
洋服代が10万円を超える月もあります。

そう考えると、暮らせと言われれば、
もし仕事先の人が宿代と光熱費を出してくれるなら、
毎月3万円あれば暮らせますし、
定期的にコンピュータやカメラを買ったり、たまに私費で旅行に行くとしたら、
個人的に使うお金は、
年間300万円くらいあれば十分じゃないでしょうかね。

フェラーリに乗っていたり、豪華な生活や、ガジェットを紹介していた一時期の高城剛からすると、凄く意外なコメントなのですが、これが今の高城剛なのだと思います。この回答を読んでいると、「楽しむのにお金はいらない」のだと感じますし、大切なのはお金ではなく、アイディアと自らの志なのだと改めて感じます。

高城剛のコアな部分に触れられる1冊。それが、この「黒本」です。
ぜひ読んでみてください。

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