書評「不老超寿」(高城剛)

これまで高城さんは、オーガニック、瞑想、トレーニング、アーユルヴェーダといった、健康に関する最新のトピックについて、誰よりも早く情報を発信してきました。それぞれのトピックについては書籍にまとめ、その後多くの似たテーマで別の人が書籍を出しています。つまり、高城さんの健康に関する書籍を読めば、今後ブームになったり、世間で取り上げられる健康に関するトピックが把握できると、僕は感じています。そんな高城さんの最新刊のタイトルは「不老超寿」です。

未来のヘルスケア

本書に書かれているのは「未来のヘルスケア」の話です。では、未来のヘルスケアとはどのようなものか。僕が考えたキーワードは「予防」と「個別最適」です。

本書に書かれている「予防」とは、風邪をひかないためにうがいをするといったレベルではありません。本書で紹介されているアンジェリーナ・ジョリーのように、遺伝子検査によって乳がんになる可能性が高いと判断したら乳房を切除し、卵巣がんになる可能性が高いと診断されたら卵巣を切除するといった、未来に起こりうる病気を予測して先に手を打つ。それが、未来の「予防」です。

遺伝子検査によって、今までうかがい知ることが出来なかった個人の身体の特徴を把握することが出来るようになりつつあります。プロスポーツの世界でも、遺伝子検査を実施し、遺伝子の特徴に従ってトレーニングを行うチームも現れています。筋肉のつきやすい人、そうでない人、個別にアレルギーのある食べ物を把握して食事を調節するといった処置をすることで、トレーニングした効果を最大限引き出そうとしているのです。

テクノロジーがもたらす功罪

本書が教えてくれるのは、データの世界が人間の領域まで進出しているということです。これまで医者や鍼灸師の長年の経験や勘で把握していた知見が、データというより多くの人が理解しやすい形式で把握出来るようになりました。現在は一部の富裕層にしかこうしたサービスは普及していませんが、今後は一般化され、誰でも身体のデータを詳しく把握して、自分にあった最適な処置が受けられるようになる。そうなると、医者という仕事も変わってくるかもしれません。遠い未来の事のように感じている人もいるかもしれませんが、本書に書かれているのは既に起こっていることであり、今後起こりうる事なのです。

素晴らしい未来と感じる人もいるかもしれないし、薄気味悪いと感じる人もいると思います。ただ、科学が発達するということは、今まで明らかになっていなかったことがどんどん明らかになり、機械によって再現されたりという事が増えるという事を意味します。寿命も延びるだろうし、今まで病気でなくなっていた人が幸せな人生を送れるようになるかもしれない反面、人口が増加したり、新たな病気が増えたり、人口が増えても仕事が減る一方なので職をめぐる争いは増えると思います。こうした科学の発達によって起こりうる良い影響と悪い影響を頭に入れた上で取り入れていきたい。読み終えて、そんなことを考えました。

なお、本書は高城剛さんによる衝撃の告白から始まります。どんな内容かは、ぜひ手にとって確認してみてください。

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