書評「負けを生かす技術 」(為末大)

「負けを生かす技術 」は、為末さんが陸上競技の選手として培った経験から得た、「負け」「失敗」「勝ち」「競争」「強さ」といったテーマに対する考えが書かれた書籍です。

「負け」「勝ち」といった基準は自分で決める

本書で為末さんが伝えていることは、「負け」「勝ち」といった基準は自分で決めるのだということ、ずっと勝ち続ける人生なんてありえないので、負けを受け入れながらも、少しずつ前に進んでいくために必要な心構えです。

「護送船団方式」という言葉がありますが、今まで日本人は。国、会社、地域といった共同体が機能し、目の前の出来事に必死で取り組めば、自然と所得も増え、生活も豊かになり、ある程度生活が保障された人生を送れる。そう言われてきました。しかし、現代は経済成長が停滞し、目の前の出来事に必死で取り組めば、自然と成長するような環境にいる人の方が少なくなっています。大企業といえども、いつどうなるかわからない時代で、自分の人生をどう生きるか、自分で判断し、自分で決断し、自分で責任を取る。当たり前のことかもしれませんが、今まで「誰か」が決断してくれる事に慣れていた人にとっては、決断するのは簡単ではありません。

アスリートから学べること

そう考えると、困難や失敗と向き合いながら、少しずつ前に進んでいかなければならないアスリートという職業をしていた人から学べる事は多いのかもしれません。為末さんは、自身の経験をアスリートの言葉ではなく、多くの人の言葉に置き換えて語ることが出来る数少ない人財です。為末さんの言葉が人々に受け入れられるのは、大きな声を張り上げるわけでもなく、淡々と、一定のトーンで言葉が紡がれるからではないかと思います。

本書は、今の時代を生きるヒントが、とても読みやすい言葉で書かれています。ぜひ、読んでみてください。

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