nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

書評「諦める力」(為末大)-「諦める力」は「選択する力」-

   

「諦める力」為末大

頑張っても上手くいかない。日々過ごしていると、そんな事ばかりです。上手くいかない時に、今よりさらに努力しようとして、結果的に身体や心のバランスを崩してしまい、益々上手くいかない。そんな経験をしたことがある人もいるのではないのでしょうか。僕もそんな1人です。

最近、そう感じていた時、本書の事を思い出して手にとって読んでみました。なぜなら、むしろ自分に必要なのは、これ以上「努力すること」ではなく、上手くいくために不要なことを「諦める」ことなんじゃないかと考えたからです。

本書「諦める力」は、自分の才能や能力、おかれている状況などを理解し、自分の姿を悟った上で、幸せに生きていくためのヒントがかかれた1冊です。

「諦める」=「ギブアップ」ではない

本書を読んでいて感じたのは、本書に書かれている「諦める」とは、英語でいう「ギブアップ」という意味ではないということです。本書に書かれている「諦める」という言葉の意味は、個人的には「選びとる力」とか「選ぶ力」と言い換えられるのではないか、と感じました。

なぜそう感じたかというと、何かをするためには、何かをすることを諦めなければなりません。例えば、アメリカで働くために英語を勉強したければ、テレビでドラマを観る時間や、スマホでゲームをする時間を諦めなければ、アメリカで働くために必要な英語のレベルは、身につきません。研究者が仕事をしながら新しい研究に着手したければ、家族との時間、趣味の時間、あるいは睡眠時間を削らなければなりません。

人生は選択の積み重ねで成り立っている

このブログで何度か紹介してきましたが、心理学の理論に「選択理論」という理論があるそうです。「選択理論」とは、全ての行動は自らの選択の結果であると考える心理学です。行動を選択できるのは自分だけなので、現在の自分の状況も全ては自分が選択した結果です。

他人は自分の行動を直接選択させることは出来ないので、自分の採るべき選択をコントロールすることで、良好な人間関係や、問題を能動的に解決していくことが出来るという考えの元に成り立っています。為末さんが語る「諦める力」は、この選択理論で提唱されている内容に、非常に近いのではないかと感じました。

「目的を達成する」ための「手段を諦める」

為末さんは「諦める力」で強調しているのは、「目的を諦める」ことではなく、「手段を諦める」ことです。為末さんにとって、現役中の目的は「陸上で勝利する」ことでした。そのため、自らの適性を考え、競争の激しい100mや200mといった競技を諦め、400mハードルという競技を選択しました。100mや200mで勝負することを「諦めた」ことで、目的である「陸上で勝利する」ことを達成出来たのです。

「諦める」「選択する」基準は、その時の状況、自分の考えによって変わります。ブレてあたりまえです。重要なのは、今の自分の状況をありのまま一旦受け入れることなのかもしれません。自分が出来ることと出来ないことを見極め、出来ないことに執着せず「諦める」。むしろ「諦める」ことによって、新しい可能性が開かれることを、本書は教えてくれます。

おすすめ商品

 - , ,