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書評「全力で生きる技術」(棚橋弘至)-ビジネスにも活かせる「受け身の技術」とは-

   

昨年読んだ書籍の中で、最も衝撃を受けた1冊を選べと言われたら、僕は、「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」を選びます。ガラガラの会場、ブーイングの嵐、会社の身売り…存亡の危機にあった新日本プロレスを支え続け、ついに奇跡の復活へと導いた立役者である棚橋弘至は、どうやって、新日本プロレスを変えたのか。「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」に書かれていたのは、プロレスの世界だけでなく、普段仕事している僕のようなサラリーマンにも活かせるような事ばかりでした。

他のビジネス関連の書籍とは違って、棚橋さんの言葉は、実際に変えた者だけが持っている説得力がありました。僕はおすすめの本について聞かれたら、今も必ず「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」をおすすめしています。

「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」は、新日本プロレスに起こった出来事について、棚橋さんがどう行動したかについて書かれた本ですが、本書「全力で生きる技術」は、普段の棚橋弘至がどう考え、どう行動しているか。何を心がけているかについて、書かれた1冊です。

まずは正面からしっかり「受ける」

僕が本書を読んで最も印象に残った言葉は、「受け身を取る」という言葉です。プロレスは、「相手の技をくらい、受け身を取る」ことが求められる格闘技です。自分の技だけ仕掛けて、相手を痛めつけるだけでなく、相手の技も受け止め、その上で自分の技を繰り出し、相手を上回る事が求められる格闘技です。自分だけが強さを誇示したり、相手をこてんぱんにやっつけるだけでは、強くて人気のあるプロレスラーとは言えないのです。

棚橋さんは本書の中で、「受け身が上手くなるには「コツ」がある」と語っています。受け身が上手くなるには、相手の技をまずは正面からしっかり受けてみることが大切だというのです。そこから、「どうしたらダメージを斎行源に抑えられるか」「どうしたら切り返せるか」を考えるようにすると、積み重ねがキャリアとなり「相手のどんな技を受けても立ち上がることができる」という自信を手にすることができるというのです。

普段仕事をしていると、どうしても「痛みが伴わないように振る舞いたい」とか「ミスをしないように」と思いがちです。痛みやミスを嫌がるのは、当然です。ただ、嫌がって避けてばかりいると、避けられないような大きな壁にぶつかったとき、耐えられずに潰されてしまいます。だからこそ、普段から何事も「受け止める」訓練をしておくと、本当に大変な事が起こった時、上手く対応できるのではないか。そんな事を感じました。

強いだけでは人に受け入れられない

今、プロレスが人気なのは、当然プロモーションの成果であったり、個性豊かなレスラーの存在であったり、多種多様な対戦カードといった様々な要因があると思いますが、僕は、「相手の技を受ける」というプロレスが元々持っていた個性が、世間に受け入れられたからではないかと感じています。強いだけでは人には受け入れられない。人の技を受けて、自分の技を返し、相手を上回る。こうした、技を介した「コミュニケーション」のような戦いが、人々に受け入れられているんじゃないか。僕はそんな事を考えます。ただ、勝てばよい。強ければよいわけではないのです。

どんな人でも、連戦連勝ではいられません。だからこそ、今起こっていることを真正面から受け止め、全力で生きる。その事の大切さを教えてくれる1冊です。

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