Tha Blue Herbは教えてくれた。「口に出した事が時々叶うのさ」と。

2017年10月29日に行われた、Tha Blue Herbの結成20周年ライブを観に行きました。Tha Blue Herbは北海道札幌市を拠点に活動するヒップホップバンド(敢えて「バンド」と書きます)です。メンバーは1人のMCと1人のトラックメイカー、そしてライブDJの3人です。

Tha Blue Herbが支持されるのは、彼らが紡ぎ出す素晴らしい音楽だけでなく、彼らの振れない活動姿勢にあります。20年もの間、メジャーレーベルに所属せず、東京ではなく北海道札幌市を拠点に活動を続け、自分たちでライブをブッキングし、制作を手掛け、請求書も自分たちで書く。そんな活動をファンは支持し、CDが出れば購入し、ライブがあれば出向き、音楽フェスでは熱狂的な支持を集めてきました。そんな活動20年間続けてきたバンドの記念ライブらしく、台風が直撃するタイミングで行われましたが、本当に素晴らしいライブでした。

このライブの特典として、ステッカーと併せて記念CDがついてきたのですが、特典としてついてきたCDに収録されていた「”Kotodama” takes us there」という曲が本当に素晴らしい曲なのです。ライブの開演前にこの曲が流れた瞬間に、僕はグッときてしまいました。

「”Kotodama” takes us there」という曲は、今回の結成20周年ライブを行う経緯、日比谷野外大音楽堂を使用するための抽選に申し込んで、10月末という日比谷野外大音楽堂の抽選に申し込んで当てたことを歌っただけの曲なのですが、Tha Blue Herbというバンドは、ライブが決まる経緯すら、これまでの自分の活動と照らし合わせ、表現しています。

事務所を訪れて用紙をもらい、俺は怪しいもんじゃねぇ旨を書き
免許は持っていないからパスポートを出し、最後に印鑑 それを月に1回
続けてきたんだ ライブの合間 それはある意味で自分の過去との対話
出来損ないなりがやらかした これまでの行いが巡り巡って決める話だ

他のミュージシャンなら、事務所が申し込んでやるような抽選も、自分たちで申し込む。そんなところが、Tha Blue Herbの活動姿勢であり、魅力でもあります。そして、Tha Blue Herbは、自分たちの生き様を、ビートで表現し、ライムを乗せ、歌ってきました。メディアに大々的に取り上げられる音楽でもありませんが、3,000枚のチケットが完売したのは、そんな活動姿勢にファンが共感したからだと思います。

「”Kotodama” takes us there」という曲には、こんな言葉が出てきます。

言葉は行動の添え物だ 目を見てもらえりゃ解る 嘘か真か
だけど俺は言霊を信じてる 口に出した事が時々叶うのさ

口に出した事が、時々叶う。いつも叶うのではなくて、「時々」叶う。時々叶うからこそ、人はチャレンジしたり、目の前のつらい仕事を頑張るのだ。その事を、Tha Blue Herbのライブは教えてくれた気がします。
本当に素晴らしいライブでした。そして、ぜひ音源を聴いたことがない方は、ぜひ聴いてみてください。
「真摯」という言葉が、これほど似合うバンドは他にないと思います。

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