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サッカーを観る時は、あえて「どう負けるか」に注目してみよう

   

風間八宏&落合博満

僕は川崎フロンターレの試合をレビュー・プレビューする時、極端な表現を許してもらえるなら、注目しているポイントは1点だけです。それは、「どう勝つか」です。「どう勝つか」をいうことは、裏返すと「どう負けるか」という事を指します。僕はむしろ、「どう負けるか」に注目しているくらいです。なぜ「どう勝つか」に注目しているかというと、「どう」の部分にチームの意図が隠されているからです。

致命傷になる負け方はしない

ちなみに、川崎フロンターレの風間監督は、負け方に凄くこだわっている監督だと思います。言い換えると、「致命傷になる負け方をしない」ように細心の注意を払っている気がするからです。調べてみたところ、風間監督就任後、リーグ戦で0-3の敗戦は3回しかありません。そして、4点差以上の敗戦はありません。僕は無得点で3失点以上のスコアは、チームにダメージを与える敗戦だと思っています。川崎フロンターレは決して失点の少ないチームではありませんが、実は2点3点と失点してしまうチームではないのです。

風間監督は「いかに得点を奪って勝つか」という考え方を、チームに徹底して伝えています。この考え方を伝えることのメリットとして、失点に対する心理的なダメージを軽減するという効果があります。失点しても取り返せばいい、失点はしょうがない。失点が与える心理的なダメージを、「いかに得点を奪うか」という考え方を徹底させることで軽減させ、チームのダメージを軽減させているのだと思うのです。

風間監督就任後の川崎フロンターレは、3連敗までしか連敗していません。風間監督は勝ち方にこだわりつつ、負け方にもこだわっています。0-3までは許容範囲。負けている試合は、いい意味で勝つことを諦め、チームにダメージが残らないようにする。交代選手を無理して使ったりしない。むしろ、負けている試合こそ、ジタバタしないようにしている気がします。監督がジタバタすると、チームも落ち着きを失い、ダメージが残るからです。

リーグ戦は、勝ったり負けたりの繰り返しです。全勝優勝はほとんどありません。FCバルセロナだって、すべての試合に勝てるわけではありません。監督は狙って負けることは出来ませんが、負ける時のダメージを少なくすることは出来ます。負ける時こそ、心理的な余裕をもって負ける。これが次の試合の勝利につながるのだと、僕は思っています。

負けのダメージは最小限に

こうした考えは、僕は落合博満さんから学びました。落合さんは、負けている試合で、初回に大量点を取られた先発投手を7回まで続投させたことがあります。中6日で準備して、初回に大量点を取られたからって、すぐ交代なんてありえないぞ。ちゃんと責任回数くらい投げろというわけです。この先発投手は初回以降立ち直り、無失点で凌ぎました。こうした起用をすることで、先発投手はたとえ試合に負けたとしても、初回の大量点のイメージではなく、その後のナイスピッチングのイメージをもって、次回の準備をすすめることが出来ます。負けのダメージを最小限に出来るのです。

「どう勝つか」にこだわるということは、「どう負けるか」にこだわるということでもあります。そして、「どう負けるか」にいかにこだわれるかが、監督の腕の見せどころのような気がします。ここが上手い監督ほど、長くよい成績を出し続けることが出来るのだと思います。だから、僕は「どう勝つか」と同じくらい、「どう負けるか」に注目して、これからもサッカーを観ていきたいと思います。

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