人生の意味を考えさせられる絵本。書評:絵本「おおきな木」(著:シェル・シルヴァスタイン、訳:村上春樹)

2012/11/14

おおきな木

娘が読む絵本を図書館で探していた時、1冊の本が目に止まりました。それは「おおきな木」という1冊の絵本でした。黄緑色の装丁も綺麗だったのは、びっくりしたのは翻訳を担当したのが、あの村上春樹だということ。翻訳とはいえ、2歳の娘に村上春樹の作品に触れさせるのもおもしろいのでは?と思い、読み聞かせてみたのですが、これが大人でも楽しめる内容でしたので、紹介させて頂きます。

主人公に無償の愛を奉仕する”おおきな木”

このお話は、1本の木で遊んでいた男の子に対して、木が男の子の成長に合わせて、自分の身体(木の実、枝、樹木そのもの)を愛情(友情)の形として与え続ける、というストーリーです。

登場人物こそ「男の子と木」ですが、一方的なその関係性は、男女の関係とも一方的な友人関係とも読み取れ、読みやすい言葉遣いで描かれていますが、深読みすると子供向けの絵本とは思えないほど、複雑な世界観が描かれています。

何度でも読み返せて、人生の意味を考えさせられる絵本

この本のストーリー自体は単純です。文字数も少ないので、読むのに時間はかかりません。しかし、僕はこの本を読み終わった時、なんとも言えない「苦味」を感じました。その苦味は娘にも伝わったのでしょうか、娘も他の本を読み終わった時と違って、複雑な表情をしていたのが印象的でした。

この本は、短くて単純なストーリーですが、人生の意味を考えさせてくれる作品です。2歳の娘に読ませるには、多少重いテーマだったかもしれませんが、少しでもこのお話のメッセージが伝わっていたら、ひとりの親として嬉しいです。この本は、普段絵本を読まない大人こそ読むべきだと思います。もし、図書館で見つけたら手にとってみてください。

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