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人は皆、人生の編集者。書評「はじめての編集」

      2013/02/21

はじめての編集

菅付雅信さんの作品として最初に手にとったのは、「おすすめ商品」としても紹介している「東京の編集」です。「東京の編集」が良書だったので、本書も期待して、手に取りましたが、期待通りでした。ここでは、本書を読んで、印象に残ったトピックを紹介します。

編集とは「企画を立て、人を集めて、モノをつくる」仕事

本書で、編集とは「企画を立て、人を集めて、モノをつくる」仕事だ、と定義しています。
この3つがそろっていれば、メディア問わずその行為は「編集」であると、著者は語っています。

企画は企画を感じさせないこと

第2章の見出しが「企画は企画を感じさせないこと」という言葉なのですが、「企画」を感じさせないために、「企画」するためのヒントが紹介されています。以下が僕自身、今後参考になると思ったトピックです。

  • 企画には目的がある
  • 企画には「しばり」がある
  • 企画には「クライアント」が関わる
  • 企画は「ディストリビュート(配給)」される
  • 企画には「ターゲット」がある
  • 「新しい」は企画になる
  • 「独占」も企画になる
  • 「挑発」も企画になる
  • 「再提案」も企画になる

言葉・イメージ・デザインが編集の基本3要素

編集物は「言葉・イメージ・デザイン」の3つの要素から成り立っています。
この3つの要素をアウトプットする際に、質を高めるためには、どのような点に気をつければよいのか。
本書にはいくつかのトピックに基づいて、詳しく書かれているのですが、僕自身が今後参考になると思ったトピックは、以下です。

  • 文章力は読書量に比例する
  • 良いイメージを作るには、イメージのアーカイヴが必要
  • デザインとはきまりをつくること

編集者は何にもできない、何でもできる人

本書を読んで、僕自身最も響いたのはこのトピックです。
本書にも書かれていますが、編集者は自分よりずっとうまく写真を撮ったり、デザインしたり、原稿を書ける人を集めて、自分のアイディアを当初考えていたもの以上にする仕事です。

言い換えると、編集者は上手く写真も撮れなければ、質の高い文章も書けず、デザインもできないわけです。つまり何もできない人と言い換えることができます。したがって、編集者には専門的な技能や、扱いが大変な機材も必要ないため、誰でも編集者になれるのです。

でも、編集者は自分ができないことに人一倍自覚的になることによって、自分よりも遥かに才能があるスペシャリストを見抜き、集め、彼らを指揮(ディレクション)することで、何でもできる人になることもできるのだと、本書は教えてくれました。

僕自身、Webディレクターという仕事を5年以上続けてきました。僕は写真を上手く撮れませんし、デザインもできません。コーディングもプログラミングもできなければ、気の利いたコピーライティングもできません。でも、そんな自分だからこそ、遥かに才能がある人たちを見抜き、集め、指揮することで、すごい作品を作る事ができる可能性があるのかもしれないのだ、と。

人生の編集・人生の作品化

本書では、最後にクリエイティブな人が情報が氾濫し、生き方が可視化されたこの時代に、評価されるには「人生を作品化する」しかない、と書いています。本書にも書かれていますが、何を食べて、何の仕事をして、誰と付き合うか、ということを人々は選択して生きています。

編集が「企画を立て、人を集めて、モノをつくる」仕事なのであれば、人は常に「編集」して生きているということになります。そう考えると、自分の人生を上手に編集し、楽しみながら人々に伝えられる人が、クリエイティブな人として、21世紀を楽しく生きていけるのではないのでしょうか。

自分の人生を、上手に編集し、楽しみながら伝える。そのために、自分が何ができるのか。
迷ったときに、この本を手に取る機会は今後も増えそうです。
何度も読み返したい。心からそう思える書籍でした。

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この本の編集も菅付さんだったのか。びっくり。

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