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静かな写真から伝わる圧倒的なパワー。「二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年」を観て。

      2013/03/06

日本の民家一九五五年〈普及版〉

時間が出来たので、以前から行きたかった、「二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年」という写真展を観に行って来ました。この写真展は、「GA」という建築雑誌の主宰者である二川幸夫さんが1955年に発表した「日本の民家」という写真集の写真を展示したものです。「日本の民家」は最近普及版が出ましたが、絶版となった後は神保町の古本屋で高値で販売されていた「伝説の建築写真集」です。

二川幸夫とは。「GA」とは。

僕が二川幸夫さんのことを知ったのは、GOETHEの創刊号のインタビューです。
二川幸夫さんについては、GOETHE創刊号には以下の様に紹介されています。

『GA』と言う建築専門誌がある。
NYでも、パリでも、ロンドンでも-----
教養のある人なら誰でも知っている。
そして、世界の建築家たちは、その雑誌に載ることを夢見て仕事する。
その『GA』は一人の日本人が作っている。
二川幸夫、世界最高の建築写真家。
彼は27歳でデビューしたその日から、世界の巨匠の一人になった。
73歳の今も、1日1000km車を走らせ、
世界中の建築を見つめて生きている。
建築家の守護聖人にして、男性の憧れ、
二川幸夫が初めて、そのベールを脱ぐ。

GOETHEのインタビューでは、二川幸夫という人の建築写真への取り組み方が紹介されています。(僕は、このインタビューが大好きで、つい最近まで創刊号を持ってました。)建物に到着した後、気に入ったアングル、気に入った陽の光があたった時じゃないと撮影しない。それだけではなく、何千km移動してたどり着いた建物でも、気に入らなければ写真を撮らずに帰ってしまうのだそうです。

雑誌作りにもこだわりは貫かれていて、広告は一切掲載されていません。広告が掲載されていないため、値段は1冊2,000円を超えますが、世界中の建築好きから「GA」は支持を集め、僕の記憶では「GA」はルーブル美術館にも、テート・モダンにも、大英博物館にも置いてありました。日本の雑誌で海外にここまで広く知られている雑誌は、他にはないと思います。

関連情報

GA(JAPANESE)

静かな写真から伝わってくる”熱さ”

そんな二川幸夫さんの処女作が、1955年に発表した「日本の民家」です。「日本の民家」は二川幸夫さんが日本全国を旅して日本に残る民家の写真を撮影して生まれた写真集です。この写真集を撮影した時の二川幸夫さんはまだ大学生。二川さんは、昼は民家を撮影し、夜は街に繰り出し芸者衆にかわいがってもらい、民家の情報を聞き出したりしながら、日本中を旅して回ったのだそうです。

今回展示されている写真そのものは、モノクロということもあってか静かなトーンの写真が多いのですが、写真自体が静かなトーンなので、逆に1955年当時の雰囲気と撮影する二川幸夫さんの熱さが伝わってきます。当時はまだ当たり前のように存在した日本の民家がもつ迫力は、観るものを圧倒します。

横尾忠則 初のブックデザイン展」を紹介する記事でも作品が持つ”パワー”について書きましたが、高度成長期に突入する前の日本という国が持つエネルギーが、この作品を作らせたんじゃないか。観終わってそんな気がしました

なお、会場の構成は現在最も注目される建築家の1人である藤本壮介さんが手がけています。展示されている写真はワイヤーで天井から吊るし、背景を黒に統一することで、写真がまるで空中に浮いているように見せ、写真の迫力がより伝わる会場構成になっていた気がします。

建築が好きな人、古き良き日本文化に興味がある人はぜひ観に行くべき写真展です。

関連情報

「二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年」(汐留パナソニックミュージアム)

日本の民家 一九五五年 二川幸夫・建築写真の原点(動画)

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この記事を読んで、「日本の民家」に興味を持った方はこちら。

二川幸夫さんのGA JAPAN上の名物連載「GA日記」
僕はGA JAPANを読むときは、真っ先に「GA日記」を読んでました。

GA JAPANの最新号。特集は「日本の現代建築が失ったもの」
まだ読んでないので、(今度こそ)買って読みたいです。

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