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書評「日本人が世界一になるためのサッカーゆるトレーニング55」(松井 浩,高岡 英夫)-「フィジカルが弱い」という状態はどうすれば改善されるのか(1)-

   

「フィジカルが弱い」。サッカー日本代表が試合に負ける度に、メディアで使われる言葉です。特にパワーのある相手に負けたり、試合終盤に走り負ける度に、「フィジカルが弱い」という言葉を耳にしてきました。「フィジカルが弱い」という言葉を耳にしてから何年もたちます。トレーニング方法も進化を遂げているはずですが、具体的な改善にはいたっていません。

どうやったら、「フィジカルが弱い」状態を改善できるのか。そのために、どんなトレーニングをすればよいのか。従来の考え方は、重い重量を持ち上げる筋力トレーニングを行い、筋肉をつけることで、パワーを身につけようという考え方でした。また、体幹トレーニングも腹筋、背筋といった身体の幹となるトレーニングを行うことで、パワーを身につけ、フィジカルが弱い状態を改善しようとしていました。しかし、どれも成果には結びついているように思えません。

力を抜くことが「フィジカルが弱い」ことを改善させる

「フィジカルが弱い」状態を改善するには、どうしたらよいのか。しかし、最近では別の考え方も耳にするようになりました。従来は「力を入れる」ことばかり注目されていましたが、実は「力を抜く」「身体をゆるめる」ことが出来ることが、「フィジカルが弱い」状態を改善できるのではないかという考え方です。

「身体をゆるめる」ことが「フィジカルが弱い」ことの改善につながると、2000年頃から提唱しているのが、「日本人が世界一になるためのサッカーゆるトレーニング55」の著者である高岡英夫さんです。「サッカー世界一になりたい人だけが読む本」「サッカー日本代表が世界を制する日―ワールドクラスへのフィジカル4条件」といった著書で、「身体をゆるめる」ことの効果を提唱してきました。

本田圭佑がパワフルなプレーを追求した弊害

「日本人が世界一になるためのサッカーゆるトレーニング55」でも指摘されていますが、本田圭佑は以前は身体がリラックスした状態でプレー出来ている選手でした。個人的な本田圭佑のベストパフォーマンスは、膝の怪我から復帰した2011-12シーズンのチャンピオンズリーグレアル・マドリー戦です。

後半途中から出場した本田は、膝の怪我の影響で、普段のパワフルなプレーが出来ません。しかし、その分身体の力を抜いてリラックスした状態から、相手の動きの逆をとり、レアル・マドリーを翻弄します。

シャビ・アロンソを翻弄し続けたプレーに、僕は衝撃を受けました。そして、この方向を突き詰めれば、本田は間違いなく進化する。僕は、そう思っていました。しかし、本田は僕の思いとは逆に、よりパワフルなプレーを追求していきます。

ACミラン移籍後も、方向性は変わりませんでした。パワフルなプレーを追求した結果、身体の所作に力みが目立つようになり、相手の動きの逆をとることが減った結果、本来の良さが消えてしまったような気がします。ACミランで出場機会が減っているのは、本田の身体の使い方の問題もあると、僕は思います。

日本人が目指すべき身体の使い方のお手本はイチロー選手

日本人が目指すべき身体の使い方のお手本は、イチロー選手だと思います。

無駄な力が入っていない身体の使い方から生み出されるパワーとスピードは、筋骨隆々としているメジャーリーガーより優れていますし、筋骨隆々としたプレーヤーには出来ないプレーを披露しています。何より、怪我が少なく、40歳を過ぎても盗塁が出来て、外野が守れる身体を維持しているのは、驚くべきことだと思います。

イチロー選手は、自ら作り上げた「神経が行き届いた身体」を維持することを心がけています。契約の条件に、初動負荷トレーニングが出来る特殊なマシンを球場内に設けることを求め、キャンプには初動負荷トレーニングのマシンを球場横に設置。身体の柔らかさがもたらす、「神経が行き届いた身体」を維持することで、自分の思った通りのパフォーマンスを40歳を過ぎても実現させています。

ラグビー日本代表は「フィジカルが弱い」ことをどう改善させたのか

ただ、僕は「日本人が世界一になるためのサッカーゆるトレーニング55」に書かれているような、「身体の力を抜く」ことを目的としたトレーニングだけやることが「フィジカルが弱い」状態を改善させるかというと、疑問を感じています。

そんな疑問を持っていた僕の考えに近い意見を述べていたのは、ラグビー日本代表の岩渕GMです。明日は、岩渕GMの考えを基に、ラグビー日本代表が「フィジカルが弱い」状態をどう改善させたのか、そして「身体の力を抜く」トレーニングをいかに結びつけていけばよいのかについて、書きたいと思います。

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