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人生の先輩に聞く。書評「つるとはな」

   

ほぼ日刊イトイ新聞で紹介されていた雑誌「つるとはな」を買ってみました。

本書を読んで驚いたことがあります。それは、若者が紙面に登場しないことです。唯一の若者は、女子体操界のヒロインとして紹介されている笹田夏美さんだけ。それ以外は、見事なくらい「人生の先輩」ばかり登場します。実に平均年齢の高い雑誌です。

登場する人々は皆若々しい。早朝からどことん譜面を読む小澤征爾さん、「シフトチェンジこそ運転の楽しみ」と言ってみせる麻田光子さん、本当に元気で、若々しい。確かに歳を重ねたことで、身体は思うように動かなくなっているのかもしれません。しかし、気持ちはむしろ若返っていて、今を生きることを楽しんでいるのが、紙面から伝わってきます。

老いるとはなにか

川上弘美さんは、本書の冒頭のエッセイでこのように書いています。

老いるとは、あらゆることに関して、おぼつかなくなってゆくことなのだ。あんなに確信を持っていたことが、すっかりこころもとなくなっている。けれど、それはだめなことなのかなあ。と、若い頃の自分に、問いたい気もするのだ。

ミック・ジャガーは、若いころに「45歳になっても「サティスファクション」を歌うくらいなら、死んだほうがマシだ」と語っていました。しかし、ミック・ジャガーは70歳を過ぎても、「サティスファクション」を歌っています。むしろ、当時より若々しく。

就職して働き始めた頃、同じ部署にいた脂ぎったおじさんのようにはなりたくない。心の底からそう思っていた。今もその気持ちは変わらない。僕も歳をとり、少しづつ脂ぎったおじさんの歳に近づいてきている。でも、僕なりの歳の重ね方があるんじゃないかという思いは、むしろ当時より強くなっています。

施設に入るために貯金したくはない

本書を読んで印象に残ったのは、ホルトハウス房子さんのこんな言葉です。

たとえば施設に入るには、なにがしかのお金が必要とかね。
そのためにせっせと貯金するの?悲しいですよ。

そう。そういうことなのだ。お金をつかうなら、人生を楽しむことにつかいたいのだ。自分の人生を閉じるために、人に迷惑をかけないためにお金を貯める。そんなことはしたくない。大変なこともあるだろうけれど、一度きりの人生なんだから、心から楽しみたい。本書を読んでいると、そんなことを考えさせられました。

読んでいると不思議と元気になってきます。
ぜひ、読んでみてください。

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