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書評「ありえないデザイン (クリエイターの見方と考え方1 ソリストの思考術)」(梅原真)

   

「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組で、農林漁業と地方に関する仕事ばかりを引き受け、次々とヒット商品を生み出すデザイナーが紹介されました。そのデザイナーは、梅原真さん。梅原さんに密着した番組からは、「デザイナーの仕事とは何か」を改めて考えさせられました。

そんな梅原さんの仕事や考え方がまとめられた書籍が「ありえないデザイン (クリエイターの見方と考え方1 ソリストの思考術)」です。

デザイナーは「問題を解決する人」

梅原さんはデザイナーを「問題を解決する人」と考えています。梅原さんが拠点としている土佐の高知は、84%が森林で、県民は残り16%の土地に暮らし、多くが農業、林業、漁業といった一次産業を営んでいます。仕事は人生相談のように、「魚が売れない」「みかんが売れない」「栗がやすい」などといった問題を解決すること。こうした問題を解決するには、箱やパッケージのデザインをするだけでは済まないのです。商品が売れるまでをデザインする必要があるのです。

ものを売るのであれば、商品となるそのものをどういう心構えで、どう作るのか、どういう名前をつけ、どんなパッケージに入れて、どういう状況におけば、お客は買い物かごに入れてレジまで持っていってくるのか。その長いプロセスをデザインすること。それが梅原さんが考える「デザイナー」の仕事だというわけです。

東京の暮らし方以外の暮らし方を作らないと、幸福感って出ない

梅原さんは、これまで地方で暮らす人の問題を解決するためのデザインしかやってきませんでした。なぜか。それは、こんな考え方が根底にあったからです。

まず、東京の暮らし方以外の暮らし方を作らないと、幸福感って出ないと思う。仮にこの市場でお金を稼いで成功しても、だんだんここから離れていく。それじゃ決して幸せには結びつかない。だからここで、なんとか留まってやる方法を意地でも考えないと、と思っている。
(中略)
よその人を喜ばせてお金をもらうっていうことは、ビジネスとしては当たり前のことなんやけど、彼らは自分たちが美味しいものを食べたい、楽しい時間を過ごしたいために来ているだけなんで、それを自分たちが暮らすためにお金を落としてくれるって思うのはどうかと思う。
自分たちがここで暮らすシステムっていうのは、やっぱり別に作らないと。ここで採れるもの、ここで食べているものを物々交換していかないと。
(中略)
ここで暮らし続けるっていうのは、8割お金に頼ったらまずいんじゃないか。

地方で起こっていることは、将来の日本で起こること

そして、梅原さんはこう語ります。

自給自足と物々交換、お金だけに頼らぬ暮らし。これはローカルだからこそ出来る生き方だろう。そして、日本というローカルで生きる、僕らにとっても大きなヒントを与えてくれるのである。

最近、地方で起こっていることは、将来日本で起こることなのだと思っています。人口は減少し、仕事はなくなり、高齢化社会になる将来の日本は、どんな社会なのか。いろいろ調べていると、地方は「稼げる地方」と「稼げない地方」に分かれている気がします。そして、僕は地域の問題を解決する方法の1つとして、スポーツが出来ることが色々あるんじゃないかと思っています。

デザインとスポーツ、そして地方創生。個人的に気になっている3つのテーマを考える上で、凄く参考になった1冊です。

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