nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

書評「勝負論 ウメハラの流儀」(梅原大吾)-勝ち続けることと、100戦100勝であることは違う-

   

「勝負論 ウメハラの流儀」は、プロゲーマーの梅原大吾さんが、ゲームを通じて培った自身が考える勝負論について語った1冊です。

勝ち続ける状態とはどういうことか

梅原さんは、「勝ち続けることと、100戦100勝であることは違う」と語っています。そして、連戦連勝、100%勝ちたいなどと望むのは、病気に近い危険な発想であり、無邪気で無茶な希望に近いというのです。梅原さんにとって、「勝ち続ける」状態というのは、100戦100勝ではなく、「自分が成長し続けている」状態の事だと語っています。自分の中に良い変化、つまり成長があれば、それは勝ち続けられている状態にある。反対に、負けたことで腐り、ふてくされたり、たまたま運が味方して勝ったことで浮かれ、何も受け取らずに成長しなかったりすれば、変化がない以上「負け」だというのです。

目標はもたない

梅原さんは、目標を持っていないそうです。あえて目標という言葉を使うのなら、「毎日、来る日も来る日も、自分を成長させるリズムを維持すること」が目標だというのです。そして、それが一番大切だと。常に成長させるリズムが維持できていれば、ある大会に出て勝つこともあるだろうし、負けることもあるだろうけど、大切なのはそこから何を学び、成長できたか。その循環をキープ出来ている限り、満足し続けられるし、「勝ち続けられる」。そう考えているというのです。

勝ち続けるための、基礎固め

梅原さんは、勝ち続けるために「基礎固めをしっかり行う」ことの重要性を説いています。無意識で基本的な動きが出来るように、何度も何度も繰り返す。基本的な動きが無意識で出来るようになるまでは、なかなか勝てません。しかし、基本的な動きが出来るようになれば、少しずつ相手を上回ることが出来るようになります。その後は、少しずつ勝ち続けられるようになります。

サッカーでも、序盤戦は苦戦しているチームが、次第に調子を上げていき、最終的には優勝争いをしていることがあります。それは、基礎固めを序盤戦に行い、基礎が出来た後に、相手を上回るサッカーが出来るようになっているのだと思います。この基礎固めをきちんと出来ているチームが少ないと、僕は感じます。

目先の勝負にこだわると勝ち続けられない

最近、Jリーグを観ていて感じるのですが、目先の勝負にこだわるあまり、本当の勝利である「成長」につながらない取組をしているチームが多いと感じる時があります。勝利は嬉しいものですし、負けが続けば降格してしまうことを考えると、目の前の勝利を追い求めるのは、理解しています。しかし、目先の勝負にこだわり、その場しのぎとも言えるやり方で勝っていても、本当の実力とは言えないと思うのです。

余談ですが、よくJリーグでは監督が代わると、それまで負けていたチームが、急に連勝することがあります。しかし、しばらく勝った後、その後また以前のように勝てなくなり、結局また監督を替えることで解決しようとするものの、上手くいかないという事が、何度かありました。これは、目先の勝負にこだわり、とりあえず勝つ事は出来たものの、それまで負けていた原因が解決されていないので、結局負けが増えてしまったのだと思うのです。成長できていないので、勝ち続けられないのです。

最近、梅原大吾さんや「雀鬼」と呼ばれた、桜井章一さんの著書を読み返しています。お二人とも一流の勝負師でありながら、どこか目先の勝負とは距離をおき、もっと遠くを目指して物事に取り組むことで、結果的に勝負に勝ち続けています。本書を読んで、勝負に勝つということはどういうことか、考え直してみてはいかがでしょうか。

おすすめ

 - ,