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書評「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」(森岡 毅)

   

本書「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」は、マーケティングを知らない人に向けて書かれた、マーケティングの根本を理解してもらうための分かりやすい本です。

マーケティングに期待される仕事

森岡さんは、マーケティングに期待される第一の仕事は、「トップライン(売上金額)を大きく伸ばすこと」と語ります。場所、価格、製品、プロモーションというマーケティングで考えなければいけない事は、売上金額を伸ばすために考えるポイントだというわけです。

森岡さんは、マーケターの役割として、「どう戦うか」の前に、「どこで戦うか」を正しく見極めることだと語ります。これはスポーツクラブのビジネス部門、競技部門でも共通する課題ですが、「どう戦うか」を追求し過ぎて、「どこで戦うか」、そして「どう勝つか」という事を見失ってしまう事があります。2014年サッカーブラジル・ワールドカップ前に、日本代表の複数の選手が「自分たちのサッカーをする」という言葉を語っていましたが、彼らが語っていたのは「どう戦うか」であって、「どこで戦うか」「どう勝つか」ではありません。

森岡さんは、「ゲストが本当に喜ぶもの」と「ゲストが喜ぶだろうと作る側が思っているもの」は必ずしも一致しないと語ります。なぜなら、作る側の自然状態では、消費者の感覚から遠くなるからです。消費者視点で物を考えたとしても、どうしても玄人としての視点が入ってしまい、無意識のうちに自分が良いと思うもの、すなわち玄人好みのものを作ってしまいがちなのです。当然、会社では利害関係が対立するので、消費者の感覚に近いものを作るのは、組織が大きくなればなるほど、簡単ではありません。そこで、利害関係をぶった切ってでも、消費者にとってベストのものを選択させる仕組みが必要なのですが、そこで重要な役割を担うのがマーケティングであり、マーケターであるというわけです。

売れる仕組みを作る

森岡さんは、マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」であり、消費者と商品の接点をコントロールすることで売れるようにするのだと語ります。消費者との接点としては、森岡さんは以下の3点を挙げています。

  1. 消費者の頭の中を制する
  2. 店頭(買う場所)を制する
  3. 商品の使用体験を制する

森岡さんは、マーケティングとあわせて、戦略的思考についても本書の中で説明しています。森岡さんは、戦略とは、目的を達成するための資源配分を選択する事だと語ります。なぜ、戦略が必要なのか。それは、人、モノ、金、時間といった経営資源は、常に不足しているからです。そして、戦術とは戦略を実行するための具体的なプランであり、戦略的に考えるということは、目的を考え、目的を達成するための戦略を立て、具体的なプランとして戦術を考えることだというわけです。大きな戦略ミスは、戦術ではカバーできないとも、森岡さんは語っています。

本書には、マーケティングに関する基本的な事が分かりやすく説明されています。森岡さんの本は、ロジカルで分かりやすく、具体的です。マーケティングとは何か。何を考えるべきなのか。具体的に理解したい人だけでなく、チームをマネジメントしている人にも読んでもらいたい1冊です。

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