自ら手放した優勝の可能性。2014年J1第30節 川崎フロンターレ対ヴァンフォーレ甲府 レビュー

2014年第30節、ヴァンフォーレ甲府対川崎フロンターレは1-2でヴァンフォーレ甲府の勝利。優勝を狙うチームとしては、痛すぎる逆転負けでした。

もったいない1失点目

この試合のポイントは、先制点を挙げてからの戦い方でした。

レナトが先制点を挙げたのは、前半16分。ヴァンフォーレ甲府は勝ち点3が欲しいゲームだったので、人数をかけて攻めてくることが予想出来ました。相手が人数をかけて攻めてくるのであれば、ゴール前をしっかりとかため、ボールを奪ったら落ち着いてボールを回す。これを繰り返していれば、時間が経つほど相手が焦ってくるので、自分たちのペースでゲームを進めることが出来たはずです。

ところが、先制点を挙げた後、パスミスやトラップミスを繰り返し、せっかく相手からボールを奪っても、簡単にボールを奪われてしまいます。先制点を奪った10分後、小林から大久保のパスを奪われ、右サイドに展開されて、盛田と阿部の見事なコンビネーションから失点。非常にもったいない失点でした。

失点のきっかけになった小林から大久保のパスは、ボールを奪った後の味方の選手の動き出しが遅く、仕方なく小林が大久保に出したパスでした。この場面は、無理して大久保に出す場面ではありませんでしたし、味方の選手の上がりを促すように、ボールをゆっくりキープしてもいい場面でした。

この場面で一番やってはいけないプレーは、相手にボールを簡単に渡してしまうことです。本当にもったいない失点でした。

相手の背後を取る動きがない

この試合は、90分通してヴァンフォーレ甲府の守備に捕まり続けてしまいました。その原因は、相手の背後を取る動きがほとんど無かったからだと思います。

ヴァンフォーレ甲府の守備は本当によく組織されていて、川崎フロンターレの選手がちょっとでも身体の向きを後ろや横に向けたら、すぐにDFラインを押し上げたり、プレッシャーをかけたりして、ボールを持っている選手になかなか余裕を与えてくれませんでした。

ただ、よく組織されているチームほど、ボールをもっている選手に目がいきやすく、逆サイドやDFラインの背後、あるいはワンツーでボールを受ける動きに対しては、一度や二度はカバー出来ても、時間が経つにつれてカバーが遅れ、守備に綻びが生じることがあります。

しかし、この試合の川崎フロンターレは、相手の目の前でボールを回すだけで、相手の背後を狙うパスがほとんどありませんでした。また、相手の背後を取る動きも、ほとんど見られませんでした。大久保も相手選手の間で受けるのではなく、相手選手の前でボールを受けていたので、何度も相手に捕まり、ボールを奪われてしまいました。これでは、ほとんどチャンスは生まれません。

いつもの川崎フロンターレが出来ていることが、この試合では全く出来ていませんでした。前節のサガン鳥栖戦では出来ていたのですが、残念です。復調の兆しをみせていたにもかかわらず、自分たちでよい流れを壊してしまいました。

首位との勝ち点差は、7に広がり、残り試合は4試合。この試合の敗戦で、リーグ優勝はかなり厳しくなってしまいました。ここからは一戦必勝です。優勝は難しくなりましたが、目の前の試合を勝って、確実に勝ち点3を積み重ねていく必要があります。清水エスパルス戦に向けて、どのようにチームを修正してくるのか、注目したいと思います。

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