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2016年J1セカンドステージ第14節 ヴィッセル神戸対川崎フロンターレ プレビュー「チームに存在する2つのテンポ」

   

2016年Jリーグセカンドステージ第14節、川崎フロンターレの対戦相手はヴィッセル神戸です。ヴィッセル神戸はネルシーニョが監督を務めているので、ネルシーニョの川崎フロンターレ対策をいかに攻略するかが楽しみなのですが、今回は違う切り口で書きたいと思います。

2016年シーズンを通じて抱えていた課題

僕は前節横浜F・マリノス戦後に、風間監督が記者会見で語っていた事が、すごく気になっていました。

僕はこういう言い方は好きではないんですけど、Bチームというかもう1つのチームがあるとして。彼らは彼らですごく良いんですよ。
すごく良くなっているんですけど、そのテンポとこのテンポという2つのテンポがあるというところで、これをどれだけミックスしていけるか。
パターンで、このポジションにはこの役割があるというサッカーではないので。そういう意味では、目のスピードを混ぜながら早めていかなければいけない。
そしてそれとは別に、トレーニングをしなければいけないですし、やってきました。
2016年J1セカンドステージ第13節 川崎フロンターレ対横浜F・マリノス後の記者会見より

何が気になったのかというと、今のチームには「2つのテンポをもつチーム」があるという言葉であり、その事を当然風間監督は認識しているという事です。この「2つのテンポをもつチーム」をどうミックスするかということは、2016年シーズンの川崎フロンターレがずっと向き合ってきた課題だと、僕は捉えています。

Jリーグとサテライトリーグでは、攻撃のテンポが違う

僕が「2つのテンポをもつチーム」の存在に気がついたのは、サテライトリーグの試合を麻生グラウンドに観に行った時です。前日にJリーグの試合で観た川崎フロンターレの攻撃とは、明らかにテンポが違っていたからです。どう違っていたかというと、攻撃のスピードの上げ方です。

Jリーグで披露される川崎フロンターレの攻撃は、相手を自陣ペナルティエリア付近に押し込み、「出して、受ける」動きを繰り返し、パスの出し手と受け手の関係で崩し切る。そんなサッカーです。一方、サテライトリーグで披露された川崎フロンターレの攻撃は、中盤から一気に攻撃のスピードを上げて、「出して、受ける」動きを繰り返しながら、相手の守備が整わない間に、一気に攻めきってしまう。そんなサッカーです。川崎フロンターレがよく練習で繰り返す、人と人の感覚を狭くして、3人1組でパス交換しながら、一気にシュートまでもっていく。そんな練習通りの攻撃がみられるからです。この2つは似ているようで、異なります。僕の好みを話すことを許してもらえるなら、僕はサテライトリーグのサッカーの方が好きです。

Jリーグで披露される川崎フロンターレの攻撃の場合、相手の背後でパスを受ける動きやサイドからのパスを受ける動きが得意な選手が、FWに適しています。一方、サテライトリーグの川崎フロンターレの攻撃の場合、速いパスを正確にコントロールして、相手に触れない位置に蹴れる技術を持っている選手が、FWに適しています。おわかりだと思いますが、前者が小林、後者が大久保です。そして、チームの攻撃の仕上げを担う中村は、どちらかというと前者のサッカーを好む選手です。この課題に、2016年の川崎フロンターレは向き合い続けてきました。チームがレベルアップしたからこそ向き合うことになった課題です。

大久保が苦労していた「テンポの違い」

2015年までは「最後は大久保」という共通認識があったので、チーム全体で大久保に得点をとってもらおう。そんな意識がプレーから感じられました。ところが、2016年シーズンは、小林も大久保に負けないくらいの結果を残しています。「最後は必ず大久保」ではなくなったのです。それは、大久保に対するマークを分散させる効果もある反面、大久保が得点を取りやすいパターンだったり、最後に大久保にパスをするという選択が減ることも意味していました。押しこんだ後でも、最後は自分にパスが来ると思っていたら動けますが、パスが来ないとなると、選手は色々考えるものです。大久保は目の前の現実に折り合いをどうつけるか、色々苦労していたような気がします。

ヴィッセル神戸戦では、小林を1トップ、大久保を小林の後ろに起用することが予想されています。大久保が好む、「出して、受ける」動きでスピードを上げながら、ゴールを奪う動きを、立ち位置を変えることで発揮してもらいたい。そんな意図が感じられます。そして、この起用のヒントは、天皇杯のジェフユナイテッド千葉戦のプレーではないかと僕は思っています。大久保は延長戦後半のプレーが「今シーズン一番よかった」と語っていました。ダイジェストを観ると、大久保と選手間の距離が近く、一気にボールをゴール前まで運ぶ動きは、僕がサテライトリーグで観たサッカーでした。

2つのテンポは、どちらがよくて、どちらが悪いというわけではありません。どちらも使いこなせるようにするのが、ベストです。だからこそ、風間監督は試行錯誤しているのだと思います。前節の横浜F・マリノス戦の勝利でチャンピオンシップへの出場権は掴みましたが、チームに課題がなくなったわけではありません。今日の試合も注目したいと思います。

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