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自分の価値を、生き残る武器にする方法。書評「僕は君たちに武器を配りたい」(瀧本哲史)

   

本書は、著者はこんな言葉で始まります。

本書は、これから社会に旅立つ、
あるいは旅立ったばかりの若者が、
非常で残酷な日本社会を生き抜くための、
「ゲリラ戦」のすすめである。

こうした日本の現実を語った上で、著者は「希望は自分で作り出せる」と書いています。では、どうやって希望を自分で作り出すのか。その事を説明しているのが、本書「僕は君たちに武器を配りたい」です。

勉強出来てもコモディティ

本書によると、医者や弁護士に代表される高学歴の人々が、ニートやワーキングプアになっていたりするのだという。それは、どういうことなのか。簡単に言うと、資格を取ることが、差別化につながらなくなったのです。ここ最近の日本では、「勉強して努力すれば必ず幸せになれる」という考え方が、様々なメディアを通じて紹介されました。これによって、資格を取得した人が増加しました。

例えば、TOEIC800点以上を持っている人は、山ほどいます。一昔前は、「英語が出来るやつは仕事が出来ない」なんて言葉を聞きましたが、今は英語も出来て、仕事も出来る人もたくさんいます。つまり、勉強できて、資格をとっても、差別化されず、コモディティ化するだけなのです。

日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ

では、どうすれば生き残れるのか。著者は、「日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ」として、以下のタイプを挙げてます。

商品を遠くに運んで売ることが出来る人(トレーダー)
自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることが出来る人(マーケター)
まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)
投資家として市場に参加している人(投資家)

著者が「生き残れない2つのタイプ」として挙げているのが、「トレーダー」と「エキスパート」です。物を右から左に流すだけ「トレーダー」は、何の価値を生み出さないし、何の価値も与えられない。その代表として挙げているのが、広告代理店です。また、エキスパートの生き残りが難しい理由は、産業構造の変化が激しいために、せっかく積み重ねてきたスキルや知識自体が、あっという間に過去のものになり、必要性がなくなってしまうからです。

価値を作り、育てていく

では、生き残れる4つのタイプというのは、どういうタイプなのか。4つのタイプに共通しているのは、「価値」を作り出せることです。マーケターは商品に既存価値をつけ、イノベーターは全く新しい価値を生み出し、リーダーは、価値を作り出すためにチームを導き、投資家は価値を育てる。つまり、市場に価値を作り出せる人が、これから生き残っていけるのです。

そのためには、まずは自分自身で小さくてもよいから価値を作ることが始める必要があります。堀江貴文さんの「ゼロ」にも書かれていますが、イチという価値をまず自分で作ってみる。作り出した価値に、イチを足していき、少しづつ高めていく。そのことが重要なのだと、感じます。

その時に重要なのは、短絡的に成功や答えを求めてしまわないことです。本書のなかでウォーレン・バフェットの投資法が紹介されていますが、そこから学べることとして、「短期的な儲けではなく、長期的な視点で意味のあることに投資せよ」「人を見て投資せよ」という考え方が紹介されています。

ネットで見たり、読んだりした成功事例を元に、何かをやってみようとするのは簡単です。しかし、長期的に自らを含めた何かに投資し続け、価値を育てていくのは簡単ではありません。また、ネットや本に書いてあることは、「既に使い古された成功事例」であることは、忘れてはなりません。本当の情報は、人が持っている。そして、ありふれた情報を観察し、類似性や法則性を見つけることで、人とは違う情報を見つける。その事を忘れてはならないのだと、本書を読んであらためて実感しました。

価値を作って、育てていく方法は人それぞれだと思います。
本書は、そのきっかけが見つからない人にとって、考えるきっかけになる1冊です。

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