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インターネット的に生きる。書評「ウェブとはすなわち現実世界の未来図である」(小林弘人)

   

本書「ウェブとはすなわち現実世界の未来図である」は、テクノロジー、インターネットが今後どのように現実世界に影響を与えていくのか。そして、インターネットは今後どのように変化するのかについて、日本語版「Wired」を立ちあげた後、「Gizmodo Japan」「Lifehacker.jp」などのWebサイトを運営してきた、著者の考えをまとめた1冊です。

インターネット的な現実世界

いままで、インターネット(本記事では「ウェブ」ではなく、あえて「インターネット」という言葉を使わせていただく)は、現実世界を保管するものとして、捉えられていました。しかし、現代ではテクノロジーの発達によって、インターネットと現実世界が、より密接な関係を持つようになりました。本書では、インターネットと現実世界がどのようにして密接な関係を持つようになったのか、テクノロジーの発達が、現実世界にどのような影響を与えているのか、数多くの例を用いて、詳しく説明されています。

そもそも、インターネットが現実世界とより密接な関係を持つというのはどういうことなのでしょうか。その事を理解するには、「インターネットとは?」「インターネットで何が出来るのか」について、理解しておく必要があります。それを分かりやすく説明しているのが、糸井重里さんの著書「インターネット的」です。

「リンク」「シェア」「フラット」「グローバル」

インターネットを理解する上で、鍵となる4つの考え方があります。

  1. リンク
  2. シェア
  3. フラット
  4. グローバル

「リンク」とは、複雑な情報の固まりが互いにつながっているということで、インターネットの仕組みの核となる考え方です。

「シェア」とは、”おすそわけ”のことで、個人のつくったもの、個人が感じたものを、人と分け合う考え方の事です。Facebookの「いいね!」や、Twitterの「RT」は、「シェア」という考え方に基づいて行われています。

「フラット」とは、インターネット上では、情報のやりとり自体に意味があり、ポジションや年齢など、現実世界での価値に意味がないということです。この点は、現実世界が「インターネット的」になってきたことによって、少し異論反論がある部分かもしれませんが、詳しくは説明しないでおきます。

最後は、「グローバル」。国や民族の枠組みを超えて、全世界規模の視点が必要になってきます。アップル、アマゾンといった企業が、国の枠組みを超えてサービスを展開し、税金さえも全世界規模で最適化し始めているのは、とても「インターネット的」だと言えます。

こうした4つの考え方は、インターネット黎明期は、端末の中でだけ展開されている考え方でしたが、現在では現実世界にも色濃く反映され、ビジネスや社会環境にも大きな影響を与えているというのが、本書に書かれているメッセージです。

「インターネット的」に生きる

糸井重里さんは、著書「インターネット的」の中で、「インターネットとは、伝える仕組み」のことである、と語っていますが、インターネット自体がもたらす社会の関係の変化、人間関係の変化みたいなもののことを、「インターネット的」と表現しています。「インターネット的」という言葉が持っているメッセージは、本書のメッセージとも合致しています。「インターネット的」という書籍が出版されたのは、2001年、糸井さんの先見の明には、脱帽です。

本書は、テクノロジー、インターネットが今後どのように現実世界に影響を与えていくのか。そして、インターネットは今後どのように変化するのか。分かりやすくまとめられた1冊です。特に、事例が豊富なので、テクノロジーやインターネットの世界に縁遠いと考えている方にも、読みやすい1冊になっています。むしろ、そう考えている方こそ、読んで頂きたい1冊です。

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