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What is your salary?書評「あたらしい働く理由をみつけよう」

   

嫁が図書館で借りてきた1冊。いつもフラッと立ち寄る本屋に平積みにされてた本で、読んでみたいと思っていたので、先に読ませてもらいました。

本書「あたらしい働く理由をみつけよう」は、「What is your salary?」とテーマに、お金に変わる”salary”(働く理由)をみつけ、頑張っている36人の働く人の言葉を掲載している1冊です。

読み終えて、印象に残っている人が2人います。

仕事のやりがいは「自己満足」

1人目は、北条鉄道という赤字続きの鉄道会社の取締役、佐伯武彦さんです。サエキさんはは、70歳で大手重工業の役員を退職し、赤字続きの鉄道会社の役員を、無報酬で引き受けているそうです。真夏の8月に麦わら帽をかぶり、草刈りをして、古くなった踏切の遮断機の防護柵に、ペンキを塗る。大手重工業の役員として働いていた頃には、想像もしていなかった仕事だと思います。

しかし、こうした地道な取り組みを続けていく内に、予想していなかったような協力者が次々と出てきました。浄財寄付集めに奔走してくれる人、駅のホームに石庭をつくりたいと申し出る人、などなど。このような人が現れるとは夢にも思わなかったと、佐伯さんは語っています。

佐伯さんは、人間にとっての仕事のやりがいとは、「これが人様のお役に立っている」「自分が人から頼られている」という自己満足なのだと語っています。そして、労働報酬は安定的な生活保障の糧ではあるが、自己満足と挑戦への対価であるという考えているそうです。

出会った仕事への使命

2人目は、銀座のクラブのママ、白坂亜紀さんです。努力した分、お金で評価されることにやりがいを感じていた白石さんは、29歳で独立し、結婚して子供を2人産んだ頃から、仕事に「使命感」を意識し始めたそうです。白石さんが意識した使命感は、「男を磨く街」と言われる銀座の美意識を伝え、守っていく事でした。

白石さんが考えるホステスとは、来られる一流のビジネスマンの方々が、男としての自信と誇りを取り戻し、職場という戦場に行くための存在でなければならないと考えています。大和撫子の人間力が、時には疲れたお客様を癒やし、時に接待の場に使ってもらったり、ピリピリしたムードの間に入り、場をそっと和らげる。それが、自分の役割であり、銀座の文化を守ることだと考えています。

白石さんは、仕事とは最初はお金を稼ぐ手段だと語っています。そして、職を極めると、出会った仕事への使命が見えてくるとも語っています。自分が得たものをどう還元するか。次に何にトライするのか。そこまでいってこそ、本当の仕事だと。

必要とされているから仕事がある

本書に取り上げられている人の言葉を読んでいて、1つ気づいたことがあります。それは、「誰かに言われたからやる」という意識がほとんどないことです。常に悩みながらも、自分自身の頭で考え、実行する。誰かに言われたから、やるのではない。こうした一人一人の強い意志が感じられました。

勘違いをしてはいけないと思うのが、本書で紹介されていない、「サラリーマン」という職業や、「派遣社員」と呼ばれる事務職の仕事が、決して悪い仕事ではないということです。どんな仕事も、必要とされているから存在するわけで、こういう本を読んでいると、「この職業がいい」といった職業礼賛になってしまい、ともすると理想だけを追い求める人が出てきてしまうんじゃないかとも、感じました。その点は、注意して読んで欲しいと思います。

ただ、一人一人の言葉は、最大4Pにまとめられていて、普段本を読み慣れていない人でも、気軽に読むことが出来ます。
自分自身の仕事を振り返るにあたって、たまにはこういう本を手にとってみるのも、よいかもしれません。

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