Change yourself!!書評「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」

2012/11/14

Chikirinの日記」の記事を読んで、本書を購入しました。
本書は「2025年の働き方」をテーマに、社会や経済、人々の価値観が変化する中、どのように働けばいいのか。どのように人生をおくればいいのか、という問いについて、書かれた書籍です。

変化とアイディアを淡々と紹介することによって生まれる説得力

未来を形作る要因

■テクノロジーの進展

  • テクノロジーが飛躍的に進展する
  • 「ソーシャル」な参加が活発になる
  • 知識のデジタル化が進む
  • メガ企業とミニ起業家が台頭する

■グローバル化の進展

  • 24時間・週7日休まないグローバルな世界が出現
  • 人口構成の変化と長寿化
  • 寿命が長くなる
  • 国境を越えた移住が活発になる

■社会の変化

  • 家族のあり方が代わる
  • 自分を見つめなおす人が増える
  • 女性の力が強くなる
  • バランス重視の行き方を選ぶ男性が増える
  • 大企業や政府に対する不信感が強まる
  • 幸福感が弱まる

■エネルギー・環境問題の深刻化

本書には「○○すべき」といった、読み手に何かを呼びかけたり、促したりするような文章は、ほとんど出てきません。
今後起こりうる変化と、起こりうる変化に対して、選択できるアイディアが、淡々と紹介されているだけです。

しかし、事例を交え、丹念に、多くの文章量を用いて、起こりうる変化とアイディアについて書かれているため、文章に非常に説得力があります。そのため、淡々とした文体にもかかわらず、読み手に深く考えさせるような文章になっています。

企業と従業員の関係は「大人と子供」の関係から「大人と大人」の関係に

今後、「仕事とはこうあるべし」「仕事はこのようにおこなうべし」という固定観念の多くが過去のものになり、新たな選択肢とチャンスが拡大し、充足感とやりがいをいだけるキャリアを築くチャンスがある反面、自分に合ったキャリアを実践するためには、主体的に選択を重ね、その選択の結果を受け入れる覚悟が必要になるでしょう。

特に、企業と社員の関係には、企業が社員の将来を保証し、社員は保証された将来に向かって働く、「大人と子供」のような関係だったが、今後は双方が対等の立場をとる「大人と大人」の関係を築いていくことになると思いますが、その分社員は将来の保証を失うことになります。私たちは、今後起こりうるこのような変化を理解した上で、どのような人生を送りたいかを、深く考え、決断する必要がある、と思います。

自分自身でどのように変化を起こすべきなのか

本書が伝えたいことは、「変化にどう適応するべきか」ということではなく、「自分自身でどのように変化を起こすべきなのか」ということではないのでしょうか。「変化に適応する」のではなく、「変化を起こす」。言葉として似ているようですが、意味は違います。「自らが変化を選択し、実行する」ということが重要なのです。

それに伴い、責任とリスクもあわせて選択する。変化を選択しない人も、変化しないことによって伴う責任とリスクがある、ということを繰り返し説いている書籍です。読み終わって、背著者の誠実さを感じました。

自分が、未来を思い描いて、どのような人生を送りたいのか。
送りたい人生が明確になっている人も、明確になっていない人も、この書籍を手にとって、もう一度深く考えてみてはいかがでしょうか。「働き方」「人生の送り方」を考えるには、最適な1冊です。

関連情報

ちきりんと一緒に 『未来について考えよう!』 – Chikirinの日記
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自分の仕事を深く考えたい方は、こちらがおすすめです。名著です。