nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

「八重の桜」と「風立ちぬ」の共通点-困難な時代をどう生きるべきか-

   

僕は「あまちゃん」も「半澤直樹」もほとんど観ていませんが、「八重の桜」は毎週楽しみに観ています。最初から観ていたわけではありませんが、会津藩が京都守護職に任命された辺りから観始めて、すっかりファンになってしまいました。

「八重の桜」を観ていると、ある映画に似ているんじゃないかと、思うようになりました。ある映画とは、宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」です。観れば観るほど。僕はこの2つの物語には、共通点があると思っています。時代設定も、テーマも異なるように見える2つの物語のどこが共通しているのかを、紹介したいと思います。

市井の人々を描く

「八重の桜」も「風立ちぬ」も、時代の英雄を描いた物語ではありません。時代に翻弄された市井の人々を丹念に描いた物語です。

「八重の桜」の主人公である新島八重は、望んで会津戦争に参戦したわけではありません。自分の住んでいる土地を守るために、参戦しただけです。「風立ちぬ」の主人公である堀越二郎も、美しい飛行機を作りたいという自らの夢を実現させるために、戦闘機を作ります。戦争がしたかったわけではありません。

戦争に市井の人々はどう向き合ったのか

「八重の桜」も「風立ちぬ」も、戦争が取り上げられています。「八重の桜」では会津戦争、「風立ちぬ」では太平洋戦争。しかも、描き方にも特徴があります。2つとも戦闘シーンをほとんど描いていないことです。「八重の桜」では戦闘シーンは描かれていますが、従来の大河ドラマと比較したら、少なく感じます。むしろ描かれているのは、鉄砲を打つ八重の姿より、敵の攻撃を受け、不利な戦況でも力強く生きていこうとする会津の人々です。
新島八重も、

「風立ちぬ」は戦闘シーンは、ほとんど出てきません。「風立ちぬ」で描かれているのは、「美しい飛行機を作りたい」と考える主人公が、「 飛行機は美しい夢だ。しかし、同時に呪われた夢でもある。」という事を自覚しながら、戦闘機を作る姿です。

2つの物語は、全ての人々が戦争を望んでいたわけではないことと、望んでいない戦争にどう向き合ったかが描かれています。一部の人々の行動や言動が原因で、東アジア各国との関係が悪化している現代も、2つの物語で描かれている時代背景に似ている点がある、と思うのは僕だけでしょうか。

困難な時代をどう生きるのか

「八重の桜」も「風立ちぬ」も、描かれているのは生きるのに困難な時代です。人々は時代の波によって、自分の思い描いた夢や、希望や、生まれ育った土地が、簡単に壊されたり、変わっていきます。「八重の桜」「風立ちぬ」の登場人物の生き方には、共通点があります。それは「目の前のことを、1つ1つ全力でやる」ことです。

特に、新島八重は会津戦争後の10年間で、京都に移り、再婚し、学校を設立し、クリスチャンになり、英語を学びます。会津戦争の時に鉄砲を打っていた女性が、ここまで大きな変化を成し遂げることが出来たのは、別に大きな目標や夢があったからではなく、目の前のことを1つ1つ全力で取り組んだからです。「目の前のことを、1つ1つ全力でやる」という事は、困難な時代を生きる人間にとって、どう生きるのかのヒントになるのではないかと思います。

最後に1つだけ強調したいことがあります。「八重の桜」も「風立ちぬ」も、描かれているのは過去の時代ですが、現代社会に横たわる問題に正面から向き合って作られた作品です。「風立ちぬ」はヒットしていますが、「八重の桜」は「あまちゃん」に比べると、視聴率がよくないようです。

しかし、「八重の桜」は派手さはないものの、非常に真面目に現代の問題点に向き合って作られている作品です。「八重の桜」は、現代の物語だと思って観ています。これから「八重の桜」は佳境を迎えます。ドラマの視聴者として、これからの展開を楽しみにしたいと思います。

関連記事

大河ドラマの意外なキャスティング
「風立ちぬ」のメッセージはどのように受け止められたのか。書評:熱風2013年7月号 特集「風立ちぬ」
「風立ちぬ」は宮崎駿が自分の妻に向けて作った映画だ
鈴木敏夫のジブリ汗まみれ「ブルーレイ発売記念トークイベント「やさしさに包まれたなら」(出演:松任谷由実)」-一つ一つ目の前のことを全力で-
スタジオジブリの好奇心。書評「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」

関連商品

 -