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2017年J2第5節 松本山雅FC対名古屋グランパス プレビュー「戦術とは戦術とはシステムではなく“戦う術”のことだ」

   

2017年J2第5節、名古屋グランパスの対戦相手は松本山雅FCです。

戦術とはパズルではなく“戦う術”

この試合前の記者会見で、風間監督がとても面白い事を語っていました。詳しくは「赤鯱新報」をご覧ください。

※当初引用していた部分が有料該当箇所なので、削除しました。失礼致しました。

サッカーが好きな人は、戦術を語るのが好きです。そして、戦術が人に見える形で表現されているのが、選手が立っている場所、すなわち「フォーメーション」です。したがって、フォーメーションから、戦術を判断しようとしがちですが、サッカーの戦術はフォーメーションだけで判断分かりません。フォーメーションを決めるのは、チームがどんなサッカーをしようとして勝とうとしているのかという、コンセプトやプレーモデルという言葉で表現されるものです。サッカーは相手あってのスポーツなので、相手と自分たちの力を見定めながら、自分たちの目指す勝ち方を実現させるために、チームでどう戦うのか。それが、チーム戦術です。そして、チーム戦術のレベルを決めるのは、個人個人の技術と戦術の実行力、すなわち個人戦術のレベルによって決まります。

風間監督は、よくボールを保持する事やパスをつなぐ事にこだわる監督だと考えられがちですが、それは違います。ボールを保持できたり、パスをつないでボールを相手に奪われないというのは、相手より自分たちが上手いという事を証明する事象の1つでしかありません。ボールを奪われないチームであれば、シュートチャンスを多く創り出せるだろうし、ゴールを奪う可能性も高い。そして、サッカーはボールを持っている時は攻撃を受けないので、失点の回数も少ない。そう考えているだけです。ボールを保持する事は、目的ではありません。試合に勝つための手段です。

本当の戦術を実行出来る監督が松本山雅FCにいる

本当の戦術は、実はこんな事だという例を紹介したいと思います。J1セカンドステージ第14節 ヴィッセル神戸対川崎フロンターレの試合で、ヴィッセル神戸はこんな戦い方をしてきました。ボールを保持したら、まずはFWの選手に対するロングパスを狙います。ロングパスを狙うのは、谷口と車屋、田坂とエウシーニョの間です。DF3人で守るとき、ウイングバックと呼ばれる左右のMFとDF3人の左右の間は狙うべきポイントなのですが、ヴィッセル神戸は徹底的にそこをついてきました。

ロングパスを使って攻撃する狙いは、川崎フロンターレのDFラインを下げさせ、攻撃を開始するポイントを下げさせる事が狙いでしたが、他にも狙いがありました。ヴィッセル神戸が狙いを定めていたのは、田坂とエドゥアルドです。田坂は右サイドでは、パスを受けた後、右足で斜め前方向にボールを止める事が多い選手です。田坂がボールを止めた後、マークする松下が田坂のボールを止める方向を読んで素早く距離を縮め、田坂がボールを前方に運ぶプレーをさせませんでした。

田坂としては、ボールを前に運べないなら、斜め方向にパスを出したいのですが、パスコースはニウトンが消しています。前方向にパスを出したいのですが、パスをなかなか出せないので、後方のエドゥアルドにボールを下げます。ところが、エドゥアルドは左利きです。田坂からパスを受けると、右足でボールを扱わなくてはなりません。右足では正確なパスが出せません。ヴィッセル神戸はこの事が分かっていました。だから、徹底的にこの2人に狙いを絞って、ボールを奪いにいきました。

そう、ネルシーニョの狙いは「エドゥアルドの右足」でした。エドゥアルドに不確実な右足でパスをさせて、そのパスを奪い、攻撃を仕掛けようと考えたのです。これが本当の戦術です。そして、J2にはヴィッセル神戸のネルシーニョ監督のように、本当の戦術を実行に移せる監督がいます。松本山雅FCの反町監督です。

松本山雅FCは、徹底的に相手の弱点をつく戦い方をするチームです。相手の弱点が分かれば、徹底的にしつこくつき続ける。そんなチームです。個人戦術のレベルが高いチームではありませんが、チーム戦術は非常に高いチームです。そして、松本山雅FCと戦った後のJ2の他のチームは、しばらく松本山雅FCと同じような戦いを仕掛けてきます。したがって、松本山雅FCと戦って負けた後のチームは、連敗することがあります。やっかいな相手です。

相手のチーム戦術を個人戦術で上回れるか

反町監督の頭の中には、名古屋グランパスに対する対策と弱点は当然あるはずです。DFラインが下がりがちであること、ボランチの横のスペースが空きがちであること、サイドに追い込めばボールを奪いやすい。そんな弱点は頭に入っていると思います。苦戦が予想されます。しかし、そんな試合だからこそ試されるのが、選手個人の戦術実行能力、すなわち個人戦術です。目の前の問題を1人1人がどう捉えて、どう解決しようと実行するのか。個人戦術の実行力で相手を上回れば、勝つチャンスはあると思います。

昇格のライバルというだけでなく、今後の名古屋グランパスの戦い方に大きく影響を与える1戦だと思います。注目です。

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